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□(仮)大切な二人
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「「「いらっしゃいませ!ようこそ!」」」



「ヨザックさん、ユーリさんがいらっしゃいました。」

ヨザックと呼ばれたこの店のNo.1は頷き、席についていた客に断りを入れて席を立つ。

「わかった。ケンちゃん、少し待っててください」

「うん」



「ユーリさん、こちらのお席へどうぞ」

「…悪いけど…たばこ吸わない人の近くにできないかな?」

ユーリと呼ばれた客は案内された席の周辺のたばこ臭さに眉を顰める。

「…申し訳ありません。ただいま満席でして…」

「…ならいいや」

ホストの仕方ないかと席に座ろうとするが…

「どうした?」

呼ばれたヨザックがやってきた。

「あ、ヨザックさん。実は…
「ヨザック。私、妊娠したんだ。」


「「妊娠!?」」


ホストが思わず声を上げてしまったことで、辺りが一瞬でしんと静まり返る。
ケンやヨザックの客は殺気混じりでユーリを睨みつける。それに気づいたヨザックがユーリに焦り何か言おうとするが、ユーリも周囲の雰囲気に気づき慌てて口を開く。

「もちろんヨザックの子供じゃないよ。ヨザック、枕はしないもんね。恋人でもないし。」

ユーリの言葉に周囲はほっと緊張が溶けるが、ヨザックのものは溶けない。

「ユーリ嬢、それは…
「ねえヨザック。」

ヨザックの言葉を遮りユーリは真っ直ぐヨザックを見つめ返しながら続ける。

「いつも…助けてくれてありがとう。あいつといればまた泣く日が来るかもしれない。でも、やっぱり………好きだから。あいつ以外考えられないんだ。…ごめんね?」

泣きそうな顔で笑うユーリにヨザックは何も言えない。痛みが伝わってくるようで、けれど揺るぎない決意も見えて。

ユーリはそのまま帰っていった。ヨザックはただ黙って見送るしかなかった。
大切な妹分と幼なじみの幸せを祈りながら…




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