Short Story
□最後の夜
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後数十分で新年を迎えようとしてしている眞魔国。
血盟城では明日の新年の式典のため、早くから皆休んでいた。が、国王の寝室から何やら人の動く気配があった。
「よしっ!完璧!」
当然といえば当然だがやはりユーリ陛下だった…。
ユーリはテラスの手すりにくくりつけたロープを下に放り投げた。
「よいしょ。これで下に降りてアオの所に行って…「行ってどうするんですか?」
狽ムっくうっっ!!
ユーリは恐る恐る後ろを振り向き…
「…えへ?」
「えへ?ではありません、陛下。」
「陛下って呼ぶな、名付け親。」
「すみません、ユーリ。それで?どこへ行こうとしてたんですか?アオに乗って。」
おびえてるのに訂正するとはユーリももはや口癖になっている。
「えーっと…その…初日の出が見たいなーなんて…」
「初日の出?……ああ、日本での新年の行事ですね。それならここからでもいいでしょう?」
なぜ知っている…と疑問のユーリ。
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