Short Story

□過去拍手文
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【不機嫌な理由】



眞魔国第27代魔王ユーリ陛下の帰還を聞きつけ、皆が眞王廟の池に集まり今か今かと待っていると、渦を巻きながら現れたのはなぜか困惑した様子の村田と、眉間にしわを寄せとてつもなく不機嫌そうなユーリ陛下の姿だった…。






「へっ、陛下…お帰りなさいませ…」

見たことのないユーリの様子に恐れながらもギュンターが言葉をかける。

「ふんっ!やっと帰ってきたか、へなちょこめ!」

続いてヴォルフラムも戸惑いながらもいつもの憎まれ口をたたく。

だがユーリは何も反応せず、微動だにしなかった。

これにはさすがに皆驚き、村田にどういうことだと目線を送る。
が、村田も分からないと首を振るのみ。


コンラッドはとりあえず池から上がってもらおうとユーリに声をかける。

「ユーリ、お帰りなさい。さ、早く上がってお風呂に入りましょう?」

…さすがに今は陛下と呼ぶことに躊躇われた。


ピクンッ…

ユーリはコンラッドの言葉に反応し、コンラッドに目線を送る。
そしてゆっくりと足を進め始めた。

後ろでギュンターとヴォルフラムが何やら喚いているが、ユーリが動いてくれたことに安心し、コンラッドはユーリを待つ。

目の前まで来たユーリにバスタオルをかけようと広げた途端…



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