Short Story

□あるがまま
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ある晴れた日の昼下がりの、のどかな血盟城。

皆がお昼を終え談笑に花を咲かせているというのに、魔王のプライベートルームからは何やら言い争う言葉が聞こえてきた。





「だから知らないってば!!誘惑なんかしてないっ!!」

一人はおなじみ眞魔国第27代魔王ユーリ陛下。

「どこがですか?先程陛下に挨拶された兵士は頬を赤らめて一瞬であなたの虜になってましたよ。」

もう一人は陛下の護衛兼恋人のウェラー卿コンラート。

「だって人と人とのかかわり合いは笑顔で挨拶が基本なんだよ?するなってゆーの?」

「そうは言ってません。しかしあなたは常日頃から笑顔を振りまきすぎです。
何度言ってもご自分の容姿の美しさにも無自覚だし…いい加減にして下さい。」

いつもならこんなにきつく言わず、苦笑しながら優しく注意する程度なのだ。

だが最近ユーリは勉強時間を増やし、護衛はいらないと追い出され二人の時間が減ってコンラッドはイラついていた。

「…何それ。」

ユーリもイラついた空気を感じ…

「そんなのコンラッドだって一緒じゃん!
いっつも笑顔で接してさ!老若男女かまわず虜にしてるくせに何で私ばっかり責められなきゃなんないの!?」

喧嘩腰で言い返した。

これにはコンラッドもカチンときたらしく…


「はあ…陛下。
あなたも一応れっきとした女性なんですからもう少し言葉遣いにはお気をつけたらいかがです?
仕草なども女性らしくおしとやかに振る舞っては?」




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