Short Story
□華
2ページ/4ページ
あの雪の闘技場で再会したとき。そんなものはもろくも崩れさった。
あなたの姿、声を五感すべてで感じ取ろうとする自分がいることに驚いた。
あなたが差し出した手を取りたいと強く思った。
あなたの元へ帰りたいと…。
あなたのまわりにはいつも花が咲いているようだった。
明るくてあたたかくて…自然と笑顔が集まっていた。
愛しいと思った。
あなたのためならこの想いを諦められると…諦められたと思った。遠くからあなたの幸せを願うだけでいいと…。
愚かだった。