Short Story
□君という名のもとに…
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ここ眞魔国、魔王陛下の護衛兼名付け親兼恋人のウェラー卿コンラートは最近気になることがあった。
主兼名付け子兼恋人のユーリのことである。
シマロンへの離反やその他幾多の困難を乗り越え、やっと恋人という地位を獲得してこちらの月日で半年ほどたった。
ユーリも恥ずかしがりながらもふたり幸せなひとときを満喫していた。
が、最近ユーリの様子が変なのである。
執務室を訪問。
「陛下、そろそろお茶にしませんか?」
中へ入るとユーリが一人書類と格闘している姿が目に入った。
「もう少しで終わるからもう少し待って。」
…おかしい。
前なら顔を上げてくれていたのに…。
いっこうに上げようとしない…
陛下という言葉に訂正もないし…
「終わった〜!」
ユーリは書類のサインを終え、椅子の背もたれにもたれ掛かった。
「クスクス…お疲れユーリ、こっちへおいで。
ちょうど紅茶もできたとこだから。」
コンラッドはユーリを手招きした。
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