Long Story
□flirtation(完)
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「ん…ふぅ…//」
深夜、魔王の寝室では魔王であるユーリと恋人であるコンラッドが熱い口づけを交わしていた。
「は…コンラッド…」
ユーリは唇を離すと恋人の名を呼び、瞳を見つめた。
コンラッドはユーリの唇からこぼれた唾液を舌で拭い、唇に軽いキスを贈る。
「では温かくして風邪を引かないようにして寝てくださいね?」
そう言い、コンラッドは踵を返し扉に向かう。
「えっ…コンラッド!」
「何ですか?ユーリ。」
ユーリは慌てて呼び止めるがコンラッドは笑顔で振り返る。
「…ううん、何でもない。お休み。」
ユーリは笑顔で手を振り見送る。
「はい、お休みなさい。」
そして扉の閉まる音がむなしく響いた。
ユーリは明かりを消し、窓から下を見ていた。
しばらくすると私服のコンラッドが馬にまたがり現れ、城下の方へ消えていった…
「……ばーか……」
ユーリは窓に頭を預け、目を閉じた……
その姿は今にも消えてなくなりそうだった……
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