三色菫

□ステキな珍道中(仮)
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この三人は仲がいいのか悪いのか。
一人はまだ幼さの残る少年。
この三人の中では最年少だろう。
おかっぱの髪にマントという格好だが身軽そうでもある。
長身の男もマントを着用している。
すらりとした均整の取れた体、腰から下げた刀もさることながら長い美事な髪が背中を流れている。
三人目は燃えるような赤い髪、腰から下げた刀とぱっと見ただけではそんなに特徴らしい特徴も無いように思える。
しかしその目は強い意思に彩られていた。

「しっかしこれからどうするの?」

最年少の少年が誰とはなしに聞く。

「俺、はらへったぁ」

赤い髪の侍が情けない声で訴える。

「武士は食わねど高楊枝。がまんしろ」

長髪の男がたしなめる。

「そんなこと言ってもよ、腹減ったもんはしかたねぇだろ」
「はいはい。心、絡まない」

心と呼ばれた赤い髪の青年はまだ何か言いたそうだったがとりあえず黙った。
もくもくと次の町を目指して歩く。
三人はその日の夕刻に宿場町にたどり着いた。
腹が減ってぶうぶう文句を言う心を黙らせる為三人はまず酒場へ向かった。

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