Bittersweet Stories

□これからの話
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空いた時間に携帯を眺めて、思い切って彼女にメールを打ってみる。



「どうしても、やっぱり君がいいんだけど、どうしてもだめなのかな」


思い切って送信ボタンを押すと、返事が速攻で来た。


―あて先不明。

一大決心はあっけなく俺の元へ送り返されてきた。


あまりの速さに失笑する。
まるで彼女が送り返してきたみたいだ。
そう思うと、メールを削除する事が出来なくなる。


ぶつける場所のない感情をメールに閉じ込めて、何度も何度も送信した。


「君だけが僕の希望だった」

「君のいない毎日は、何の意味も持たないただの時間だ」

「それでも会いたい」

「もう一度会いたい」

「会えないのならもう俺の夢に出てこないでくれ」

「君は俺がいない毎日も寂しくないの?俺は寂しいよ」

「会いたいって何回言ったら会ってくれる?」


「ごめん。ごめん。ごめん」


「あの時君は正しいことを言ったけど、誠実な真実なんかよりも、俺は綺麗な嘘を吐き通して欲しかった」


送っては返送されてくるメールに、笑いが込み上げる。俺、なにやってんのかな。



「君のいない毎日を、俺はどうやって生きていけばいいの??」


戻ってこない答えに、絶望する。



彼女じゃなきゃ、誰でも一緒だ。
どんな女も彼女にはなれないし、彼女の代わりにもなれない。

俺にとって彼女は唯一の「女」なんだ。


俺にとってそれ以外の女は、ただの生き物でしかないんだ。





…かっこ悪い男になってもいいかなぁ…

往生際が悪い男だってどんなに思われてもいいから、やり直したいよ。



勇気を出して、偶然再会した運命を信じて、彼女の家に行った。
そのときは家に上げてくれた。


だけど、俺の事を受け入れてはくれなかった。
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