Bittersweet Stories

□優しい風の吹く日
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なんだかぼぉっとするなぁ。

熱っぽい気がして珍しくミヌは体温計の在処を探した。

思った通りというか、珍しく高い熱が出ていたので、ミヌはまず自分に驚き、マネージャーにその旨を伝えるとすぐさま病院へ連れて行かれた。


単なる風邪かと思ってタカを括っていたら、どうやら違うらしく、肝臓の機能が低下しているかもしれない、と言われた。


検査も兼ねて1週間程入院して下さい、と医師に言われた時、ミヌはネタではなく素で「キャッ!」と口にしてしまった。


よりによって明日からオフだっていうのに。


納得のいかないまま、マネージャーは素早く事務所と連絡を取り、入院に向けて手続きに飛びまわった。


熱でボーっとした頭でミヌがとりあえず注射を打たれている時に、処置室の奥で看護師が小さくガッツポーズをしたのが、気になったといえば気になった。




とりあえずマネージャーが下着やらパジャマを買い込んで来てくれたので、それを手にしてミヌは病室に向かった。

ちょっと熱は引いてきた感じがしたが、まぁ気のせいなのだろう。




この病院は個人病院で、事務所から紹介された所なのでプライバシーはそこそこ守られているらしい。


TVに出ている人だからと病院側がわざわざ個室を用意してくれた。


とりあえずいなきゃいけないのだからと、ミヌは腹を括って、マネージャーにいくつかの雑誌を買って来て欲しいと頼んだ。


病院で出来る事なんて音楽鑑賞と読書、そして看護師のナンパくらいなのに、ミヌは母が昔看護師をしていたのでどうしてもナース相手に欲求が沸かないのだった。


そこが残念でならない。
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