Bittersweet Stories

□Because of you
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ADDICT Anotherside

「Because of you」



きっかけは簡単だった。
たった一言の「なんで?」。




その日、ジュンヒョンとユリにどうしても!と誘われて飲みに来たら、そこは合コンの場だった。


俺は小声でジュンヒョンに不満を訴える。


「おい、なんだよこれ。
俺彼女いるしこういうのは…」

「いいじゃん、これただの飲み会だし」



軽く酔ったジュンヒョンは、横に座る自分の彼女…ユリの肩を抱き「ね〜?」とユリに同意を求めている。

ユリもそれに合わせて「ねー」と俺に笑いかける。


「…いいけどさ。言うなよ?」

「言わないよ〜、ていうか私、ミヌの彼女ちょっと苦手だし」

困ったようにユリは肩をすくめた。

そのユリに手を合わせて頼み込む。

「ほんと頼むよ、あんま上手く行ってないんだからさ、最近」

「だったら丁度いくねー?アハ〜」


横で聞いていたジュンヒョンはそう言って笑った。

…他人事だと思って…



とりあえず適当に空いている席に座る。


「えっと、何を飲みますか?」

「あ…なんでも。あるものでいいです」

「じゃあとりあえず、焼酎でいいですか?」


たまたま横に座った女の子がそう言ってにっこりと俺にコップを差し出してきた。


「どうぞ〜」

「あ、ども」


注がれた焼酎を口にした。


「お腹は空いていませんか?
何か頼みましょうか」


彼女はそう言ってメニューを俺に手渡し、てきぱきと店員におしぼりと新しい箸と取り皿を頼んでいる。

…あ、俺の分か。



やけに働く子だなぁ、多分この中で一番年下だからかなと思って、なんとなく声をかけた。



「…君が幹事なの?」

「はい?…いいえ?どうしてですか?」

「いや、なんでもない」



渡されたおしぼりと箸を受け取り、この子は他の面子よりも若いから甲斐甲斐しく動き回ってるのか、とその時は思った。
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