NanoSecond Stories
□男を信じるな
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● 男を信じるな ●
私、気づいてた。本当は。
「ねぇ!キミ1人?
良かったらあっちで一緒に飲まない?」
クラブで軽くカクテルをひっかけていた私に、ミヌは声をかけてきた。
所謂ナンパっていうやつ。
「…待ち合わせしてるから…」
「それって男?女?それとも恋人?」
「恋人じゃないです…
けど、男友達が来ます」
「…ふーん」
これで引くかな、そう思って黙ってグラスに口をつけた私を見て、ミヌはちょっとだけ考えて、いきなりニヤリと笑ったと思ったら、いきなり私の手を強引に引っ張って、
「じゃあやっぱり拉致。だってキミさあ、ほんとに俺の好みの顔してんだよ」
と言い、私の返事も聞かずにフロアから一段高くなっているVIPルームへ連れ込んだ。
それから、私達の夜は始まった。
朝も、昼も、始まった。