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□仮面舞踏会
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その出会いは、価値観をも変えた。




新しく出来たばかりのスタジオを借りてのレコーディング。


そして入れ違いとはいえ、全員揃ってのスタジオ入りなんて珍しいシチュエーションに気持ちが盛り上がる。


この辺ってあんまり来ないよね〜ってエンディは物珍しそうにミキサー室を出て廊下から窓の外を眺め、

でもちょっと遠いよねーとジンはちょっと不服そうな顔をしている中、

エリックは相変わらずぼんやりと眠そうに、

ヘソンはiPadでインターネットの旅に出て、

ドンワンはスタジオの中やメンバーの顔だのあちらこちらを自慢のミラーレス一眼レフでパシャパシャと撮りまくっている。




帰りになんか食べて帰ろうかって話になったけど、コーラスを入れて半分出来上がった曲のミキシングにも少し関わりたい俺は「最後までやっぱ残ってく」とメンバーを見送る。







ソウル市郊外、深夜。





夜の街には魔物でも住んでいるのだろうか。


それとも、悪戯好きな魔法使い?








メンバーもとっくに帰ったスタジオは時計もとっくに深夜を回り、スタッフも少し眠そう。


これ以上は自分で出来る事ももうなさそうだ、と俺は判断し、切り上げる事にする。



「じゃあ俺、もう出来る事もないのでこのへんで帰ります」


「できる事ないってそんな。
今まで散々僕らを悩ませるレベルで口出してたじゃないですか」と冗談混じりに笑うスタッフに挨拶をし、用意してもらったタクシーに乗り込む。



最初から今日はミキシングに付き合う事、遅くなる事を前提にしていたので、マネージャーなんてとうの昔に、…数時間前に帰宅済み。


マネージャーの睡眠時間や送り迎えを頼むのにも気が引けるし、かえって気が散るので先に帰ってもらっていた。




 
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