僕のヒーローアカデミア

□17話
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校門を出るまでに爆豪にかばんも取り上げられてしまった恋歌は手ぶらで先を歩く爆豪の後ろをついていく。

『ねぇ、どこ行くの?』

爆「・・・どっか行きたいとこあるんか」

こっちが質問したのに質問で返されてしまい返答に困る。

もともと誘ってきたのは爆豪なのだから。

『いや、特にないけど・・・』

爆「・・・いつも休日の暇なときはなにしてんだ」

『まぁ基本的に家にいるけど、あてもなくぶらぶらするのも好きだし、ウィンドウショッピングもするかな』

爆「わかった」

何がわかったのかもわからないし、質問されている意味もわからないが取り敢えずついていく。

爆「おい」

『ん?』

爆「横歩け」

『はいはい』

立ち止まって恋歌を待つ爆豪の横に並び再び歩き出す。

『あ、そうだ

ねぇねぇ』

爆「あ?」

『この格好は爆豪君のお気に召しましたか?』

恋歌にめかしこんで来いと言った割には爆豪はTシャツにパンツスタイルのラフな格好。

Tシャツの胸元にはサングラスがぶら下がっている。

似合ってるか似合ってないかと聞かれれば、似合ってるので問題はないが。

立ち止まったまま上から下まで一度恋歌を見てふい、と目を逸らし再び歩きはじめる。

爆「・・・いつもよりはマシだ」

『そっか』

もともと爆豪の口からほめ言葉が出るとも思っていない。

罵倒されなかっただけマシだったということで満足する事にした。

爆「(本気でめかしこんでくんじゃねぇよ

あほかこいつ)」

爆豪的には満足していたのだが、それは恋歌に伝わる事はなかった。






爆「ほらよ」

しばらく歩き駅の方に向かっているなと思っていれば、爆豪が切符を買って渡してきた。


料金的にはそんなに遠くない駅に行くようだ。

『え、自分の分ぐらい・・・あ、財布』

生徒にお金を出させるなんてと爆豪が持っているかばんから財布を、と思ったが財布は焦凍が持っていることを思い出した。

爆「てめぇは今日一日気にしなくていいんだよ、クソが

さっさと行くぞ」

先に切符を通して改札を通ってしまった爆豪の背中をため息をつきながらおとなしく追いかける。

『(頑固だもんなぁ・・・

まぁ何かでお返しすればいいか・・・)』

ここで何を言ったところで財布があるわけでもなし、カードも財布の中にあるのでお金を下ろす事もできない。

『で、結局どこ行くの?』

爆「あ?

木椰区のショッピングモール」

『ふーん、何か欲しいものでもあるの?』

言われた行先は結構大きなショッピングモール。

何か欲しいものでもあるのかと思い聞くとなぜか舌打ちをされた。

爆「てめぇがさっき休日の暇なときはぶらぶらしてウィンドウショッピングするって言ったんだろうが」

『え、言ったけど・・・』

けっ、と言いながら来た電車に乗り込む爆豪の考えが全く読めない。

爆「お前も座れ」

どかっ、と空いている席に座り横の席を叩いている爆豪の横に座る。

『(まぁ別に今日は特に急ぎですることないからいいんだけど・・・)』

窓の外の景色を見ながら考えの読めない爆豪に振り回されるのも、今日ぐらいはいいかと思い一つ息をはいた。

爆「・・・・」
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