僕のヒーローアカデミア

□夏休み特別編
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少し落ち着いていた焦凍も先ほどの白い物体を見て、また恐怖心が蘇ってきてすぐに攻撃できるように恋歌の手を引いて立ち上がる。

焦「み、緑谷・・・

幽霊には氷と炎どっちが効くんだ・・・?」

緑「へっ?

いや、そんなこと考えた事ないからわかんないんだけど、幽霊って冷たいイメージがあるから逆に炎なんじゃないかなぁ!?

というより物理攻撃効かないんじゃ・・・!?

ほら実体がないのが幽霊なわけだし・・・」

焦「どうすりゃいいんだ・・・!」

『ぷっ

あ、あのね焦凍君も緑谷君もこれは幽霊なんかじゃ・・・

え・・・!?』

真剣なやり取りをしている焦凍と緑谷に可愛いなと思いつつ、幽霊ではないと説明をしようとすると自分の足、正確には太ももに何か生暖かいものが巻きついてきた。

その気持ち悪さに絶句し、思わず近くにいた焦凍に助けを求めるように抱きついた。

焦「ど、どうした」

『な、なんか生暖かいものが足に・・・!!

き、気持ち悪い!!』

焦「はっ、幽霊か!?」

慌てる焦凍は片手で抱きしめ返してくれるが、足についているものが何なのかわからず攻撃してもいいのかわからないでいる。

爆「おいゼリー女!

それぐれぇ倒せや!!」

声が聞こえた方向を頼りに爆豪が近くまで来て恋歌の頭を軽くぱしっと叩く。

『無理だって!!

なんか巻きついてるし、もぞもぞ動いて気持ち悪い!!

そんなこと言うなら変わってよ!!』

理不尽な物言いに爆豪の手を掴んで生暖かいものがあるところに爆豪の手を持っていこうとするが全力で阻止される。

爆「ふっざけんな!!

離せやこら!!」

焦「み、緑谷・・・

俺はどうすれば・・・」

助けたいが助け方がわからない。

抱きついてきているのを抱きしめ返すしかできないが、何かアドバイスをくれないかと緑谷に聞く。

緑「い、いや僕もわからないよ・・・!!

あれ?でも生暖かい・・・?」

違和感を感じた緑谷はぶつぶつと何かを言っているが、周りがうるさすぎて何を言っているのか聞こえない。

最後まで一番冷静だったはずの恋歌も意味の分からない物体に足に巻きつかれてプチパニックに陥っているため誰も止める者がいない。


そんなとき玄関が開き、稲妻の閃光と共に見えたのは長い長い金髪。

「ん、お前ら・・・」

『ひざしさ・・・!』

髪から水を滴らせてのそっと入ってきたその金髪の人物は、不思議そうな声を出して顔をあげる。

それが誰なのかわかった恋歌は嬉しそうな声を出すが、焦凍にぐっと体を押えられ、爆豪に手を強く握られて玄関に行けない。

「金髪の幽霊だぁあああ!!!!」

『ちょっ、その人幽霊じゃないよ!!』

誰かがそう叫んだ瞬間恋歌の声を無視して、その金髪に向かって全員が一斉に攻撃をした。

手加減のできなかった攻撃はものすごい轟音がしたため、恋歌は攻撃を受けた相手は大丈夫かと冷や汗をかく。

みんなが幽霊と思っている人物が倒れた直後、電気が復旧し室内がいつもの明るさを取り戻す。

『電気ついた・・・

あ・・・・』

焦「・・・・おい」

爆「・・・てめぇ」

電気がついたことにほっとし自分の足になにがついているのかと見ると、正体に気づいた焦凍と爆豪が聞いた事もないほど低い声を出す。

峰「え・・・・?」

殺されそうな勢いで睨みつけられている峰田はようやく誰の脚にしがみついているのかを理解した。

峰「こ、これは不可抗力だって!!

怖くて逃げ回ってて目の前に綺麗な足があったら抱きつくだろ!!」

(((いや、意味わからん・・・)))

「「さっさとその手を離せ!!」」

弁解をしながらも一向に離れない峰田は炎と爆破で黒焦げになっていた。

『峰田君だったんだ・・・』

焦「大丈夫か?

気持ち悪かっただろ?」

爆「けっ・・・油断も隙もねぇな

あとでもっぺん風呂入っとけや!!」

(((ボディガード強すぎ・・・)))

今回も峰田の自業自得なので何も言う事はないが、なぜよりにもよって一番強いボディガードがついている恋歌を狙うのか。

焦凍に抱きついて若干涙目になっていた恋歌は、焦凍に指で涙を拭かれている。


『あ、そうだ!!

ひざしさん!!』

「「「ひざしさん?」」」

思い出したように焦凍から離れて玄関で倒れている金髪に駆け寄っていく。

玄関はいろんな個性の残骸があり、その中で倒れている金髪を助け起こす。

緑「あ!!

プレゼントマイク先生!?」

「「「ええ!?」」」

どこかで聞いた事のある名前だと思った緑谷は記憶を掘り起し、”ひざし”という名前がプレゼントマイクの本名だと気づく。

『(よかった

気絶してるだけか・・・)』

大きな外傷はなくたくさんの個性の攻撃に驚いて気絶しているだけのようだ。
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