桜姫

□家族
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エ「よし!じゃあサボも一緒に帰るか」

サボの提案を聞いた四人はダダン一家の家に帰るためにグレイ・ターミナルの森から歩き出した。

サ「おう!許してもらえたらいいけどな」

エ「大丈夫だ!頼まれたら断れねぇクソババアだし、あいつはクソババアでも男の中の男のようなクソババアだからな!」

サ「なら大丈夫だな」

エースがダダンのことを無茶苦茶に言っているときに急に恋歌が膝をついた。

エ「母ちゃん!?」

三人が膝をついて立たなくなった恋歌を心配して駆け寄ってくる。

エ「どうしたんだ?」

ル「腹減ったのか?」

サ「ばか!そんなのお前だけだよ

傷が痛むとか…?」

心配してくれる三人に恋歌は笑みが零れる。

だがエースが恋歌の体の変化に気付いた。

エ「なぁ、何か母ちゃんの体光ってないか?」

サ「は?そんなわけ…

ほんとだ…」

ル「すげぇ!恋歌姉ちゃん光ってんぞ!!」

注意して見なければ気づかないほど微弱なものだが確かに光っている。

『ああ、だから眠かったのね…』

恋歌は理由がわかったかのように呟いたが三人にはなんのことかわからない。

エ「どういうことだ?」

『今私の体は受けた傷を治そうと細胞が活性化してる状態なの

分かりやすく言うと体が早く傷を治そうとしてるってことね

そしてその作業を最も効率良く進めるために睡眠を取るように体が言ってるってとこね

体が光ってるってことはその作業が進んでる証

本来は傷口だけ光るんだけど今回は傷が多すぎるから…』

ルフィはちんぷんかんぷんのようだがエースとサボはだいたい理解したようで頷いている。

エ「じゃあ今眠いってことか」

『そうなるわね

このままじゃ帰れないし三人とも先に…「嫌だ」て言われると思った…』

先に帰るように言おうと思ったがエースに即座に却下された。

エ「母ちゃんだけ置いて帰れるかよ」

サ「それには同意見だな

顔もバレてることだしここにいるのは危険だ」

ル「俺も恋歌姉ちゃん置いて帰るなんか嫌だぞ」

『わかったわ…

なら私が今すぐにダダンさんの家まで三人を連れていく

この状態だと恐らくそこまでが私の限界

でもダダンさんの一家の誰かに言ってくれたら運んだりはしてくれると思うし

それでいい?』

エ「…俺たちだけじゃ母ちゃんを担げないしな」

サ「男が三人もいて情けねぇけどな」

『そんなことないわ

置いていかないって言ってくれただけで嬉しかったわ


じゃあ私の腕が届くぐらいまで三人とも来て』

恋歌が動けないので三人は素直に従う。

一番幼いルフィを左腕で抱えて右腕だけでサボとエースを自分の体に押し付けるように抱える。

『三人抱えるのも限界があるから皆しっかり掴まってて』

顔が赤いのはエースとサボでルフィは元気良く返事を返してくれた。

『【ダークブーツ発動】』

恋歌は最後の力を振り絞って地面を蹴った。
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