桜姫

□長男たち海へ
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それからまた月日は流れ二年後。

とうとう明日はエースとサボの出航の日。

エースとサボは同じ船で出航するらしく、その先で別れるのもありそのまま海賊として一緒にいるのもよしらしい。

二人に船長とかは関係なく、あえて言うなら二人とも船長らしい。

この二年で恋歌はエースからは隙さえあれば赤面されるようなことをされ、サボからも好きだと言われてエースと同様に平気で色んなことをしてくる。

この二人には能力を使って逃げるという選択肢がないため、純粋な力では男である二人には勝てないのだ。

『とうとう明日ね』

荷造りをしている二人に恋歌は話しかける。

エ「ああ、やっとだ」

サ「だな、長かったような短かったような…」

エ「終わってみると短いもんだ」

『ていうか二人とも荷物少なくない?

そんなちっちゃいかばんで足りるの?』

二人ともこれから海に出る荷物とは思えないぐらい小さなリュックただひとつ。

寧ろ食料を入れる袋の方が大きい。

エ「特に持っていきたいもんもないしな」

サ「俺もコンパスとか定規とか紙とか航海術に必要なもんぐらいだ」

『私も航海に必要なものが何なのかよくわからないからなんとも言えないけど…

これ少ないけど持っていって』

恋歌は二人に1つずつ袋を渡した。

サ「これ…金か?」

エ「でもこんなに…!!」

『私が皆のために貯めたの

だから皆に使って欲しい

って言っても神様からの贈り物なんだけとね』

サ「ありがと」

エ「最後の最後まで迷惑かけっぱなしだな」

『私が好きでやってることだから気にしないで

今日はちょっとやることあるから帰るね

明日また見送りに来るから』

エ「わかった

また明日な」

恋歌はそのまま今日は帰っていってしまった。



















そして翌日、出航の日。

ル「母ちゃん来ねぇな…」

エ「見送りぐらいいいさ

いつでも呼べるんだしな」

そう言って三人お揃いのペンダントに触れる。

サ「確かにな

でも見送りに来るからって約束したのに破るなんて初じゃね?」

エ「やることあるって言ってたからな

忙しいんだろ」

サ「ならしょうがねぇな

んじゃそろそろ行くか」

エ「ああ」

二人が帆のついた小さな小舟に乗り込む。

エ「じゃあなルフィ

俺たちは先に行く」

サ「ちゃんと修行しとけよ」

ル「わかってるよ

あと3年したら俺もすぐに後を追うさ」

船を繋いでいたロープを離そうとしたエースの手が止まる。

三人の顔が笑顔になり全員顔を上げる。

『間に合った!』

上空にいたのは刀と銃を持った恋歌だった。
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