桜姫

□ドラム王国
1ページ/22ページ

恋歌の看病には数時間交代で麦わら海賊団の全員があたっていた。

ナミとビビは汗をかいた体を拭いてくれたり着替えをしてくれたりと女同士にしかできないことをしてくれた。

サンジは栄養のつく食べやすい食べ物を作ってくれ、ウソップは起きているときは楽しい話を聞かせてくれた。

ゾロは多くを話すことはないが、教えられた通りにタオルを変えたり、寝ていれば気配をできるだけ消して静かに過ごしてくれた。

ルフィはいつもの騒がしさが嘘のように恋歌の手を握って静かにしていた。



そしてそんな看病も何度か続いて今はナミとビビ、そしてサンジとカルーの三人と一匹が部屋にいた。

しかしいきなり船が大きく揺れ、その振動により恋歌が目を覚ました。

ビ「何なの!?この揺れは!」

サ「おいお前らしっかり舵とれよ!

恋歌さんに何かあったらおろすぞ!」

『…ん?何?』

ナ「あ、恋歌起きちゃった」

揺れが収まったかと思うと外から大きな声が聞こえてきた。

「あーはっはっはっはっはっ!

驚いたか!この大型潜水奇襲ブリキング号に!」

ナ「何!?この声!」

サ「ナミさん!ビビちゃん!ここ頼む!」

サンジがナミとビビを残して部屋を飛び出していった。


『何があったのかな?』

ナ「あいつらがなんとかしてくれるでしょ

あんたは大人しく寝てなさい」

『でも何か嫌な予感がする…』

恋歌が体を起こそうとすると二人に止められた。

ビ「起き上がったらだめ

寝てないと」

ナ「そうよ?

一日一時間だけは動けるって言っても今はその時じゃないわ」

だが、二人の言葉に従って大人しくしていようかと思ったが聞こえてきた銃声に部屋にも緊張の空気が流れる。

ビ「銃声!?」

ナ「あいつらなにやってんのよ!

病人がいるってのに!!」

ビ「私見てきます!」

ビビが部屋を出ていってナミとカルーそして恋歌だけが残された。

『何してるんだろうね?』

ナ「この船に拳銃を武器に使うやつはいないわ

ということは他の海賊に襲われたのかも…」

『あらまぁ…

皆無事だといいけど』

ナ「あんた…軽いわね…」

襲われているかもしれないのに言葉とは反対ににこにこしている恋歌を見てナミは呆れる。

『だってルフィの仲間だもの

簡単にやられるわけないわ』

ナ「ま、そりゃそうか」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ