僕のヒーローアカデミア

□2話
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焦凍と出会った次の日から頻繁に連絡が来るようになった。

基本的に小学校と高校では時間割が違ったり、雄英高校はヒーロー育成の最高峰なので電話は時間が合わないのでメールをすることがほとんどだった。

稽古が休みの日、エンデヴァーが出勤している日(エンデヴァー以外の家族が見て見ぬふりをしてくれている)、嫌で逃げ出してきてしまった日などは時間が合えば直接会っている。

何度も会ううちに焦凍が恋歌になついてきたため、小学校卒業までは”恋歌姉ちゃん”、中学校に入ってからはなぜか”恋歌”と呼び捨てになった。

一応年上なんだけどと伝えたが、”俺恋歌の弟じゃないから”と今更訳のわからない正論を言われたが、呼び捨てでも構わなかったので最初以外は何も言わなかった。

出会って3年目、焦凍は中学1年生、恋歌は雄英高校の3年生になっていた。

現在季節は夏。

いつしか集合場所になった轟家に近い公園のベンチにふたりで座っている。

もちろん焦凍の右側に座り、恋歌は暑さをしのいでいる。

焦「恋歌は卒業したらどうすんだ?」

『んー、まぁもともとヒーローになるつもりはないからね

適当にどこか就職先でも探すよ』

焦「へー、せっかく雄英卒業すんのにもったいねぇのな」

この2年で成長期を迎えた焦凍はすでに恋歌より身長は高い。

それでも165p程なのでまだまだ伸びるだろう。

『そうかなー

私は免許が取れればそれでいいから』

焦「そういやまだ恋歌の個性教えてもらってねぇけど、結局なんなんだ?」


初めて出会ってから2年。

まだ焦凍は恋歌の個性がなんなのか知らない。

『聞いてもつまんないよ、私の個性なんて

大して役に立たないんだから・・・』

この話題を出すといつも恋歌は元気がなくなる。

焦凍はそれに気づいてはいるが、そんなに人に言いたくない個性なのだろうかと逆に気になってしまっている。

焦「別に言いたくねぇなら無理にはきかねぇけど・・・」

『そんなことよりさ!焦凍君、氷出してー』

暗い雰囲気を吹き飛ばすように笑った恋歌は手を焦凍に向けて出している。

暑いのだろう。

少し顔が赤くなり、汗をかいている。

焦「ん」

『わ―!ありがとう!』

手のひらサイズの氷を出してやり恋歌に渡すと顔や首筋にあてる。

焦「もっと冷気出すか?」

焦凍の右側に座っているとはいえそんなに個性を使っていないから涼しくはない。

むしろ恋歌の様子を見ていると普通に暑そうだ。

『いいよいいよ

この氷だけで十分!』

焦「ならこれは?」

焦凍は自分の右手に冷気を纏い恋歌の頬にあてる。

一瞬驚いた恋歌だが、心地の良い冷たさに目を閉じて焦凍の手にすり寄る。

『これいいね』

焦「そうか、ならよかった」
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