僕のヒーローアカデミア

□15話
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寮が完成し今日自分の部屋に荷物が届くことになっている。

今日退院してから初めて学校に行く。

ここ最近いろいろあったためたまには休養をと言われたからだ。

『(それにしても裏門から職員室に来るようになんてなんかあったのかな・・・)』

昨日相澤から連絡があり、正門ではなく裏門から来いと言われた。

理由は来ればわかるとのことだったので、教えてもらっていない。

『(なんだろう・・・

すごく視線を感じる・・・)』

校舎内に入ってから生徒たちの視線が自分に向いているような気がする。

視線のする方に顔を向けると必ず目をそらされる。

『(なんなんだろう・・・)』

なにか変なのだろうかと自分の恰好を見るがいつもの普通のスーツだ。

『おはようござい、ま・・・す』

腑に落ちなかったが職員室についたため扉を開けると、開けた瞬間教師たちの視線が一斉にこちらを向いた。

『え?え?』

何かしてしまったんだろうかと慌てる恋歌は下から名前を呼ばれ下を向くと校長が立っていた。

校「やぁおはよう」

『あ、おはようございます』

校「ちょっと話があるんだけどいいかな?

相澤先生とオールマイトも」

『え、はい』

二人はわかっていたかのようにすっと立ち上がり校長室へ歩いていく。

その後を頭にはてなを浮かべながら恋歌がついて行った。








校長室に入ると校長が椅子に座り手を組んでこちらを見る。

いつも広く感じる校長室がいくつもの段ボールで埋め尽くされかなり狭く感じるがなにかあったのかと思う。

校「さて、話というのは恋歌先生、きみのことさ」

『私なにかしましたか・・・?』

兄もオールマイトも呼ばれ校長室で話だなんて何かしでかしてしまったとしか思えない。


校「まぁなにかしたと言えばしたね」

『・・・始末書とかですか?』

校「いや、きみは悪くない

恋歌先生は最近新聞やニュースを見てるかい?」

『いえ、病院にいたときはオールマイトの引退ニュースばかりでしたし、最近は荷造りとか部屋の解約でばたばたして見れてませんが・・・』

校「やはりね

実はね、恋歌先生を是非うちの相棒(サイドキック)にって話が殺到してるんだよ」


『はい?』

相「この周りの段ボール、全部お前への手紙だ」

『は?』

まるで話が読めない。

なにがどうなればそうなるのか。

校「先日のオール・フォー・ワンとの戦闘が中継されていたのは知っているだろう?」


『はい』

校「その中継できみも映ってたよね?」

『あー、どこ映してたかは知らないですけど見切れてたりはしたんじゃないですかね』


相「あほか

ばっちり全部映ってんだよ」

『全部?』

ぱしん、と軽く相澤が頭を叩いてくるがまだ意味がわからない。

校「つまり1ヒーローオールマイトと共闘し、オールマイトを庇い、その戦闘技術でオール・フォー・ワンに一太刀あびせたところまでばっちりね」

『はぁ・・・

でもそんなの誰でも・・・いたっ』

さっきより強い力で相澤が叩いてきたので睨んだが呆れたようにため息をついている。


校「恋歌先生

きみは自己評価が低いけれど周りはそうじゃない

あの戦いを見て公にされてなかったきみの戦闘技術が欲しいという事務所が殺到してる」


『へぇ・・・そうなんですね』

まだ他人事のような反応をする恋歌に校長が苦笑いをする。

校「謝罪会見で相澤先生、イレイザーヘッドの妹と知って直接相澤先生に紹介してほしいと電話がかかってきたりもしてるんだ」

相「いい迷惑だ」

『着拒したら?』

だからそういうことじゃないと再度相澤に叩かれる。

校「私たちは恋歌先生がヒーローにならない理由を知っている

けど周りからしたらどうしてヒーローにならないのかと思われている

そしてどこにも所属していない雄英の事務員であればぜひうちにと言われているというわけさ」

『なるほど

では私はどうしたらいいんでしょう』

校「・・・・正直我々としては心苦しいが恋歌先生がヒーローになりたいと言うのであれば喜んで見送る

これだけ世間が認めてるんだ

個性がヒーローに向いていないからなれないとは私は思わない

ヒーローになりたくなかったわけじゃないんだろう?」

『・・・確かに私はヒーローになりたいと思ってました

けど、私は万人を救い出すことはできません

せめてこの手の届く範囲

今であれば1-Aのみんなで精一杯ですよ』

相「言うと思った」

笑って校長にそう言えば校長はいいのかい、と聞いてくる。
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