僕のヒーローアカデミア

□夏休み特別編
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〜おまけ〜

教員用の寮から帰ってくる途中で携帯を確認すると焦凍から、”帰ってきたら部屋に来てほしい”とメールが来ていたので、今から行くという旨の返事を返し焦凍の部屋へ。

こんこん、と扉をノックするとすぐに扉が開けられる。

焦「遅い時間に悪ぃ」

『ううん

どうしたの?』

まぁ入ってくれ、と促され部屋に入ると中には緑谷と飯田が小さい机を囲ってなにかを書きながら座っていた。

こんな時間に集まって何をしているのかと見てみれば、先ほど相澤に言われた反省文を書いているところだった。

焦凍に座布団を出され、緑谷と焦凍の間に座らせてもらう。

『明日までって言ってたもんね』

緑「今回は僕たちが悪いので仕方ないです・・・」

ははは、と眠そうにしながら反省文を書いている緑谷はほぼ書き終わっている。

他の2人のも見てみるが成績優秀な3人なのでもうすでに終わっているようだ。

『で、何か用事?』

なぜこの場に自分が呼ばれたのだろうかと呼んだ本人である焦凍に首を傾げて聞いてみれば、飯田の方に視線を向けられる。

飯「すみません・・・

轟君に恋歌先生を呼んでほしいと言ったのは俺なんです・・・」

『え、飯田君が?』

珍しい事もあるもんだと驚いていると、焦凍と恋歌に謝りたいことがあると。

申し訳なさそうにしながらも、若干顔を赤くしながら言いにくそうにしている飯田を焦凍と目を合わせてお互いにはてなを浮かべる。

少しの間沈黙が続いた後に意を決したように飯田が姿勢を正し、がばっと頭を下げる。


焦「お」

それに驚いた焦凍は小さく声を出すが、飯田は畳に頭を擦り付ける勢いで頭を下げ続けている。

飯「轟君すまない・・・

俺は・・・君の想い人である恋歌先生に・・・・・

所謂・・・膝枕というものをしてもらってしまったんだ・・・!!」

焦「は?」

『え?』

飯「恋歌先生は眠そうにしている俺を見かねて好意でやってくださったんだとは思うが、俺は友人の想い人に軽々しく触れてしまった事が許せない

ちゃんと話して謝らなくてはいけないと思っていた

本当にすまない」

いまだに顔をあげない飯田に焦凍とまた目線を合わせると、今度はお互いにふっと笑った。

焦「顔上げろよ」

焦凍にそう言われて飯田はゆっくりと顔をあげる。

その顔は本当に申し訳ない事をしたと心から思っている顔だった。

焦「別にそんなことで怒りやしねぇよ

恋歌がそういうことをするのは仕方ねぇって思ってるし、そういうことをしちまうのが恋歌だ

それに飯田が故意にやったんじゃねぇってのは言われなくてもわかる

だからそんな顔すんな」

飯「轟君・・・」

『まさかそんなに思い詰められるとは思わなかった・・・

私の方こそごめんね』

飯「恋歌先生・・・」

笑ってくれる2人に飯田は心に抱えていたものが軽くなっていく感覚がする。

緑谷も声にこそだしてはいないが、よかったねと笑っている。

『まぁ覚えておいてほしいんだけど私誰にでもそんなことするわけじゃないからね?

飯田君が私の大事な生徒で、大事な人で、大事なヒーローだから

これからも私はこの姿勢を変えるつもりはないから、これからも気にしなくていいよ』


飯「し、しかしそれでは轟君が・・・」

焦「大丈夫だ

まぁ・・・なにも思わねぇかって言われればそんなことはねぇけど・・・

けど、恋歌は大切に思う奴を大事にする優しい奴だ

そういうところも好きになった理由だしな

だから気にすんな」

緑「(さりげなく告白してる・・・)」

飯「ありがとう・・・」

ようやくいつもの表情を取り戻してくれた飯田に、焦凍が”気にしすぎだ”と笑う。

どこまでも真面目で誠実な飯田は、いずれ尊敬する兄のようなヒーローに必ずなるだろう。










反省文も書き終わったので、緑谷と飯田は寝る為にそれぞれの部屋に帰って行った。

『飯田君には悪い事したね』

焦「まぁ真面目な奴だからな

けど、それが恋歌がしたいことだったんなら俺は別に止めねぇよ」

『・・・・・普通に寝たら?』

焦「ちょっとだけ・・・」

机を片付けて布団でも出すのかと思いきや、ごろんと恋歌の膝の上に頭を乗せてきた。

甘えるようにお腹に手を回してきたので、仕方ないとひとつため息をついて頭を撫でてやる。

『焦凍君にだって必要ならいつだってしてあげるからね』

焦「・・・・わかってる」

ぐりぐりと額を恋歌のお腹に擦り付けて、焦凍はそっと目を閉じる。

焦「(他の奴と一緒にされるのは嫌だって・・・わかってねぇんだろうな・・・)」
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