□訪問者たち
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白「どうした、二人揃って

あのハナッタレはもう帰ったのか?」

エ「赤髪のやつはさっき帰った

それよりさ親父!恋歌が親父に話あるんだってよ!」

白「恋歌が?」

恋歌の名前が出ると飲んでいた酒を飲むのを止め、エースの横にないる恋歌を見る。

『えっと…その…』

白「なんだ言いにくいことか?」

いつもは言葉を濁したりしない恋歌が珍しく言い澱んでいるのを見て白ひげは首を傾げる。

恋歌が助けを求めるようにエースを見ると力強く頷いてくれ、握られている手にも力が入った。

『お、とう…さん…』

今にも消えそうな声でそう呟いたが静寂に包まれていた部屋では確かにその声は白ひげの耳にも届いた。

言われた白ひげは一瞬面を喰らったような顔をしたが、すぐに優しく微笑むと恋歌を手の繋がっているエースごと自分の膝に抱き上げた。

白「なんだ?娘よ」

問う声も優しく頭に添えられた手は大きく、暖かかったため恋歌の緊張も取れていく。

『いえ…何でも、ないです…』

ごく自然に"娘"と言われ恋歌は溢れそうになる涙を堪えるために目を伏せた。

その姿を見たエースは白ひげに満面の笑みをむける。

それに応えるように白ひげはいつものように特徴のある笑い方をする。

白「いいか恋歌

たとえお前がどこから来ていようと何者だろうと、恋歌はこの白ひげ海賊団の家族だ

そして俺の自慢の娘だ

桜姫としての恋歌を評価してるんじゃねぇ

俺は何の力がなくとも恋歌のことは自慢の娘だと胸を張って言える

その敬語もいらねぇ

家族にそんな言葉遣いは不要だ

恋歌が俺を父親として呼んでくれて嬉しかった

お前が誇れるような親父になるからよ

だから…泣くな」

恋歌は泣かないように俯いていたのだが、白ひげの言葉を聞いているうちにポタポタと流れてしまったのだ。

白「せっかくのいい女が台無しだ

恋歌は笑って生きろ

お前が笑顔でいれて幸せなら俺たちも幸せなんだ


だからもう泣くな」

顔を上げない恋歌の頭を撫でていた白ひげだが、顔を袖で拭いた恋歌を見て手をどける。

顔を上げて白ひげの目を見つめた恋歌は目尻が赤くはなっていたが幸せそうに笑った。

『うん!

ありがとう、お父さん』

またその言葉を聞けた白ひげも幸せそうに笑う。

つられるようにエースも笑うので、部屋にはほのぼのとした雰囲気が流れた。








そしてその日の夜。

嬉しさのあまりサッチに無理をさせて宴を開いた白ひげがいたとか。
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