□幸せな朝とそれから
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『ん、』

エ「お、」

久しく感じていなかった朝の温もりと、布越しに腰を撫でられる感覚に恋歌の意識が浮上する。

『エース…』

エ「おはよ

ちょっと声枯れてんな」

いつもより掠れた声に苦笑いするエースだったが、シーツの上から腰を撫でる手はそのままだ。

だが、腰は撫でると言っても厭らしい撫で方ではなく、労るような優しい撫で方だった。

エ「腰、痛くないか?」

『ちょっと…痛いかも…///』

ずきずきする感じがして、体全体はだるい。

さらに昨日のことを思い出して急に恥ずかしくなる。

エ「起きれそうか?」

腰を撫でる手を止めてエースが先に起き上がり、昨日から握られたままの手を引っ張って起こしてやる。

『っつ…!』

起き上がった瞬間に先程までとは比べ物にならないぐらいの痛みが腰にあった。

力が入らなかった恋歌は引っ張られる勢いのままエースにもたれかかる。

エ「ごめんな

あんまり優しくしてやれなかった」

『ううん…///

エースはいつも優しいよ

昨日だってそうだった///』

裸のままの恋歌をシーツでくるんで、膝の上に抱き上げる。

エ「中にも…出しちまった…」

『そ、それはまぁ…///』

エ「実はさ…俺ゴムつけないでやったの初めてなんだよな」

『え、』

エ「中に出したのも初めてだ

恋歌以外の女との子どもなんかいらなかったし、万が一も考えていつもゴムつけてた」

『うん…』

エ「でも昨日は相手が恋歌だった

恋歌は俺との子どもが欲しいって言ってくれた

だからこの日がきたらつけないでやろうって決めてたんだ

恋歌も初めてでそんなの嫌だったかも知れねぇけど…」

『そんなことない…

私の気持ちはずっと変わってない

エース以外との子どもは嫌

だから…嬉しいよ///』

不安そうな顔をしているエースに照れたように恋歌が笑って、エースの心が温かくなる。

いつだって恋歌は自分を受け入れてくれる。

子どもの頃から、初めて会ったときからずっとそう。

エ「でももう暫くは恋歌を一人占めしてたいかな」

『ふふ、私だってエースを一人占めしてたいよ』

お互いに抱き締めあって笑い合う。

そんな二人の幸せな朝だった。
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