□所属と証
1ページ/15ページ

恋歌としても桜姫としても受け入れてもらえたその日、白ひげ海賊に話したことは誰もが聞いた事のない夢の中のような話だったが全員がそれを信じた。

恋歌は嘘を付かない。

それを知っているし話している時エース、サボ、ニーナが黙っていたからだ。

この3人もこんな大事なことに嘘をつくような者たちではないとわかっているから全員が信じた。

恋歌の覚悟

桜姫になった理由

得た力の代償

全てを聞き終えいかに恋歌が家族というものを大切にしてきたかよくわかった。

そんな恋歌が正式に隊に所属が決定したという報告を受けた。

ほとんどの者がどこの隊に所属するかはわかっていたようで驚きもしなかったが、もしかしたらという期待もあり少しがっかりしたのは内緒だ。

『2番隊に所属ですか?』

マ「ああ、親父の命令だ

2番隊に所属して好きなようにやれだとよい」

朝一の隊長会議で隊長と恋歌が呼ばれ、マルコによりそれが告げられた。

エ「やったな!

俺とサボの隊だから一緒にいれるぞ」

至極嬉しそうに笑うエースに恋歌もうん!と返す。

マ「ただしだ」

「『ただし?』」

こほん、とひとつ咳払いしたマルコを見るとぴらっと1枚の紙を渡された。

恋歌がそれを受け取ってエースが後ろからのぞきこむ。

『”白髭特攻隊隊長”?

なんですかこれ』

エ「隊員に俺入ってる」

どれどれと他の隊長たちも覗きに来て全員がはてなを浮かべる。

イ「…ていうかこれ隊長全員が隊員に入ってねぇか?」

マ「その通りだよい

1番から16番までの隊長全員が恋歌を隊長とした”白髭特攻隊”に入ってもらう」

『え?私隊長なんですか?』

衝撃的すぎる話に誰もがついていけずぽかんとしている。

それを見ていた白ひげがいつものように笑う。

白「その隊は俺が考えた」

エ「親父が?」

白「そうだ

2番隊に配属はしたがそれだと恋歌はただの2番隊の隊員だ

隊長であるエースの許可なく好きに動くことはできねぇ

だが恋歌はお前たちも知っての通りこの白ひげ海賊1番の実力者

ただの隊員だと動きたくても動けねぇ状況になっちまう時があるかもしれねぇ

その時はこの白髭特攻隊の出番ってわけだ」

マ「俺たちは恋歌が特攻隊隊長権限を使用したらそれに従う

隊員なんだから当然だない

何か質問はあるかよい?」

突然できた隊に驚きはしたが反対の意見を述べる者は誰もいない。

サッチ「はいはーいしつもーん」

マ「なんだよい」

サッチ「恋歌ちゃんが隊長権限使った時は他の部下たちはどうなるんだ?」

マ「恋歌が隊長として動かせるのは俺たち特攻隊のだけ

いつもの部下たちは恋歌が隊長権限を使っていようと俺たちの部下だ

ただし恋歌から命令されればそれに従って隊を動かすこともあるかもしれないよい」

サッチ「なるほどねー」

納得したサッチは再度紙をのぞく。

サッチ「珍しくサボとニーナちゃんは入ってないんだな」

マ「少数精鋭の意味も込めて隊長だけを隊員にしたんだよい

エースとサボ、そしてニーナの戦闘能力はあまり変わらないが立場的にはエースが隊長

だからサボとニーナはのぞいたよい」

1人の隊長と16人の隊員で構成された少数精鋭白髭特攻隊。

これは白ひげが恋歌のためにと考えた組織。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ