桜姫

□一日目終了
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いつの間にかそのままベッドで寝てしまったエースを起こさないで自分はリビングにでも行こうと思い立ち上がった。

起こさないようにそっと扉を閉める。

『(エースも寝ちゃったし暇だな…

夕飯を作るのにはまだ早いし…)』

恋歌が何をしようかと悩んでいると突然"プルプルプル"とあちらの世界では聞いたことのないような着信音(?)が鳴った。

どこからその音がするのかと見回すと何ともまぁわかりにくい所に電伝虫がいた。

『(うわぁ…

本物って案外不細工なのね)』

そんなことを思いながら受話器をあげる。

『はい
どちら様ですか?』

ガ「おおっ、恋歌か?

ガープじゃがエースはどうしとる?」

電話の主は数時間前にここに来てエースを預けていったガープだった。

『ガープさんでしたか

エースなら今お昼ご飯の後のお昼寝してるところですよ』

そう言うと受話器の向こうのガープが驚いたような雰囲気になったのが伝わってきた。

『どうかしましたか?』

ガ「いや、何でもないんじゃ

元気に過ごしとるならそれでいいんじゃ

(まさかあのエースが会って数時間の者の気配があるところで眠るとはな…)」

恋歌はクスクス笑いながら話す。

『ちょっと前に別れたばっかりじゃないですか

いくら私でもそんな僅かな時間でエースを病気になんかさせませんよ』

冗談っぽく言うとガープも大声で笑いだした。

ガ「いやいや、この歳になると孫が心配でな

あんなやんちゃでもワシの可愛い孫じゃからな」

『そうですね

私もあんな可愛い息子が出来てとても嬉しいですよ』

ガ「そうか
それならば何よりだ

実は電話したのは先ほど言い忘れとったことがあってな」

『なんですか?』

ガ「エースの服を持って行くのは些か荷物が多くなるということでお前さんの家に今日届くようにしたんじゃがこちらの都合で明日の朝になりそうなんじゃ

恐らく早朝になる
じゃから玄関の前に置くように言っておいた

明日確認してほしい」

『わかりました

明日買い物に行こうと思うのですがエースの服は送られてくるんですよね?』

ガ「ああ、じゃがあいつもまだまだ幼い

ねだることはないじゃろうが欲しそうなものがあれば買ってやってくれ

金なら言ってくれれば出すぞ」

『確かに欲しいものがあっても言わなさそうですもんね

お金のことならご心配なく
これでも結構持ってますので』

ガ「悪いな…

ではワシは仕事に戻るとする」

『はい
わざわざありがとうございました

エースの声も聞きますか?』

ガ「いいや、寝ているのであれば寝かせておいてやれ

ではな」

『はい』

恋歌は受話器を置いて通話を終了した。
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