桜姫

□出航と天竜人
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一先ずコルボ山に非難した二人。

『大丈夫サボ?』

サ「あ、ああ助かった…

でも何で急にあいつら…」

『わからないわ…

でも許さない…』

恋歌が拳から血が出るほど握り締めているのを見てサボは慌てて手を開かせる。

サ「止めろって!血ぃでてんぞ!」

『前に言ったよね?

これ以上サボの自由を求める心が遮られる物が現れたら次は私はどうするかわからないって』

サ「もしかして…」

『ごめんね

私は自己満足で力を使うのかもしれないけど

それでも…

行きたいから、行かなくちゃいけないから



だからごめんね…』

笑った恋歌はとても悲しそうだったが、サボが止める前にそこに恋歌はいなかった。












恋歌は桜姫になり、歓声の上がる港を見下ろしていた。

天「また無礼な下市民がいつ現れるやもしれんえ

よーく見張っておくえ」

『それは私みたいな人のことを言うのかしら?』

急に現れたら恋歌に一斉に護衛からの銃口が向けられる。

「こいつ、まさかあの"桜姫"じゃ…!」

護衛の一人が思い出したように言うと周りがざわつき始めた。

『名を知っているのならある程度のことはわかるはず』

天「"桜姫"といえば海賊の救世主とまで言われた悪党

下市民どもより下の者というわけだえ

何か用かえ?」

『ちょっと…』

恋歌は斬魄刀を抜いて切っ先を天竜人に向ける。

『一方的な喧嘩を売りに』

「ふざけるなえ!

貴様世界貴族に喧嘩など売ればどうなるかわかっているえ!?」

護衛についていた男が声を荒げる。

『言われなくてもわかってる

私が世間からどう思われようと政府から追われようと構わない

でも、何故あの漁船を撃った

何もしていないだろう?』

大抵子どもたち以外には初対面であれば敬語で話すが、怒りで斬りかかりそうなのを抑えている恋歌にはそんな余裕はない。

天「漁船?

ああ、先程のあの小舟かえ

何、下市民がわちしの船の前を横切ったからだえ!」

『それだけ?』

天「それ以外に何の理由があるえ?

このわちしの船の前を横切るなど無礼にもほどがあるえ」

胸を張ってそれがどうしたとでも言わんばかりの態度をしている天竜人にとうとう恋歌は我慢するのを止めた。
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