僕のヒーローアカデミア

□1話
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15分ほど病院から歩いて話をしているとそれまでオールマイトの話でテンションの高かった焦凍のテンションが急に落ちた。

足取りも重く1歩1歩が小さくなっていく。

無理やり歩かせるわけにも行かないので手は繋いだまましゃがみ目線を合わせる。

『どうしたの?

大丈夫?』

焦「・・・・・僕、家に帰りたくない・・・」

若干震えている焦凍の手をぎゅっと握り、頭を優しく撫でてやる。

『そっか・・・

そのお家に帰りたくない理由は私が聞いても大丈夫かな?』

あくまでも焦凍の判断に任せる。

言いたくないのであれば言いたくないでそのあとに考える。

焦「・・・・・お父さんが・・・僕はオールマイトを超える存在だって・・・

毎日、稽古をつけるんだ・・・」

握っている左手に少し力が入る。

焦「嫌だって・・・嫌だって言ってるのに・・・

む、無理やり・・・」

ぐっと涙と体の震えを抑えながらとぎれとぎれではあるが家に帰りたくない理由を告げる。

『(なるほど・・・

まぁ教育方針なんか家によって様々だから一概には何とも言えないけどこの子のおびえ方が尋常じゃないね・・・)』

恋歌はどうしたもんかと考える。

やはり教育者であり、ヒーローである兄に聞いてみるのがいいだろうか。

虐待であれば問題である。

焦「で、でも・・・」

『ん?』

ぐしぐしと右袖で涙を拭い、恋歌の目を見つめる。

焦「あいつを・・・お母さんの力だけで超えるって決めたんだ!」

『(お母さんの力?)

そっか、じゃあ帰れる?

もし、焦凍君が本当にお家に帰りたくない、お父さんところにいたくないって言うのなら私が力を貸すよ』

焦「え・・・」

『これでも私は雄英高校のヒーロー科

あなたが困っているのであれば助ける事が出来るかもしれない』

最初から気になってはいた。

左側だけ火傷した顔。

『(どうやったらこんなやけどができるの・・・?)』

少しざりっとする火傷の跡を優しく撫でる。

またしてもぽかんと口をあけたまま固まる焦凍からの返答を待つ。

焦「・・・大丈夫

ここで逃げちゃダメな気がするんだ・・・

だから帰るよ・・・」

目に涙は溜まっているが目の光は強い。

『わかった

いい子だね』

焦「!?」

繋いでいた手を引っ張られぎゅっと抱きしめられる。

背中を規則正しいリズムでぽんぽんと叩かれると、ふっと体の力が抜けた。

あふれ出そうになる涙をまたしても堪え、恋歌の背中に手を回しぎゅっとすがりつくように抱きつく。
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