僕のヒーローアカデミア

□1話
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しばらく抱きしめ合っていたが、焦凍が力を緩めたので恋歌も力を緩める。

焦「・・・帰る」

『うん

行こうか』

自分から手を繋いできてゆっくりと歩きだした焦凍に、恋歌も手を握り返して歩幅を合わせて歩き出す。

数分歩けば立派な日本家屋の豪邸が見えてきた。

表札には”轟”と書いてある。

『(まさかのお坊ちゃま・・・

しかも”轟”ってなんか聞いたことあるような・・・)』

豪邸にぽかんとしていると、繋いでいる手をひっぱられる。

なんだろうと視線を向けると、少し顔を赤くしながらもじもじしている焦凍がいた。

『(何急に。かわいい・・・)』

焦「・・・・・・・お姉さんはさ、」

『ん?』

焦「いつもあの時間に病院に来るの?」

『今日はたまたま兄のお使いで来ただけだから・・・

どっちかっていうと今日限りって感じかな』

素直にそう伝えると焦凍はショックを受けたように固まった。

『え?どうしたの?』

焦「・・・もう会えない?」

『ぐはっ・・・』

こてんと傾げられた首に恥ずかしさからか少しだけ染まった頬。

焦「お姉さん?」

『ご、ごめんね

(かわいい子だとは思ってたけど将来はイケメンか・・・)』

破壊力のあり過ぎる攻撃に鼻をつまんで後ろをむいてしまったが、焦凍が心配そうにのぞきこんでくるのですぐに大丈夫と笑って返した。

一度手を放して鞄に入れていたノートをちぎる。

『はい』

焦「これなに?」

ちぎったノートに自分の携帯の電話番号を記載し焦凍に手渡した。

『私の連絡先

ここの番号にかけてくれたら出るから

まぁまだ携帯なんて持ってないだろうからお家の電話からかけてくれてもいいよ』

ぎゅっと大事そうに今貰った紙を抱きしめる焦凍を見て恋歌も嬉しそうに笑った。

焦「ぼ、僕携帯持ってる!」

え、持ってるの?と聞けばランドセルをひっくり返す勢いで中を探る。

焦「ほら!!」

得意げに見せたものは最新機種のものだった。

『(・・・お坊ちゃんだもんね)』

金持ちは小学生にも携帯を持たせるものなのか?と一瞬思ったが他人の家庭の事情をとやかく言う必要はないかと思い直す。

焦「僕登録の仕方とかわかんないんだ・・・

お姉さんの登録して僕のもお姉さんのに登録してくれる?」

携帯を渡されたので自分の電話番号、メールアドレスを登録し、自分の携帯には焦凍の連絡先を登録した。
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