僕のヒーローアカデミア

□2話
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そのあとも首やおでこなど冷やしてくれた。

『これ贅沢だね』

焦「そうか?

こんなんでよかったらいつでもやってやるよ」

昔よりさらに無表情になった焦凍なので、本気で言っているのかどうかわからない。

けれど優しいことは知っているためやってほしいと言えばやってくれるのだろうと思う。


『もうだいぶ涼しくなったよ!

ありがとう』

いまだに頬にあててくれている冷気の纏った手に自分の手を重ねて、自分の頬から離す。


焦「恋歌に熱中症にでもなられたら困る」

『焦凍君も気を付けてね

個性の使い過ぎは凍傷になっちゃうんでしょ?』

焦「こんだけ暑かったらならねぇだろ」

『それもそうだね』

それからはいつも通りに合ってなかった期間の他愛のない話をお互いに話し合う。

焦凍にとって恋歌の話はヒーローになるための授業内容なので、いつも熱心に聞いている。

轟家の夕飯が19時からなのでそれに合わせるように焦凍を帰らすようにしている。(最初なかなか帰らなかった焦凍を心配してお姉さんが迎えに来てしまったのだ)

心配をかけてはいけないと焦凍に伝え夕飯までには帰る約束をしているのだ。

『そろそろ帰らないとお姉さんが心配するよ』

焦「そうだな・・・

じゃあ・・・ん、」

いつも名残惜しそうに立ち上がる焦凍に後ろ髪を引かれる思いだが、轟家の皆さんを心配させることはしてはいけない。

この会合が始まって以来、別れるときには必ず恋歌が焦凍を抱きしめる。

既に焦凍の方が背が高いので抱きつく形になってしまうが。

いつものこととわかっているので焦凍は恋歌から来るのを立ち上がって両手を広げて待っている。

今日もいつも通り恋歌が焦凍に抱きついた。

『大きくなったねー

筋肉までがっしりついてきちゃって』

焦「俺だってヒーローになりてぇからな

あいつも越えなきゃなんねぇし」

抱きついてくる恋歌の背中に焦凍も手をまわして抱きしめる。

焦凍は最初に会った日に抱きしめてもらった瞬間から恋歌に抱きしめられるとどこかほっとするような感じがするので、結構気に入っている。

『また連絡してね

エンデヴァーさんの愚痴でもオールマイトの話でもなんでも聞くから』

焦「ああ

しばらく忙しいんだろ?」

『ま、これでもヒーロー科の3年生ですからね

連絡は必ず返すから安心して』

焦「それは疑ってねぇよ

無理はすんな」

『ありがとう』

19時に帰れるように離れて、またねと手を振りあう。





別れてから恋歌は思い出したように焦凍にメールを送った。

『そういえば今日初めて中学校の制服姿見たけど似合ってたよ!!』

そんな些細なこともメールを送ってくれる恋歌に焦凍はふっ、と笑みをこぼし”ありがとう”と返信を返した。
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