僕のヒーローアカデミア

□2話
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あっという間に時間は流れ季節は冬、恋歌は雄英高校の事務員として働くことになったと焦凍に伝えた。

焦「よかったな

就職先みつかって」

『まぁね

そういえば焦凍君も雄英狙ってるんだよね?』

焦「ああ」

『焦凍君なら推薦とかもらえそうだよね』

焦「どうかな

推薦もらえたとしても推薦の試験に合格しなきゃ入れねぇし」

”確かにねー”と言いながら寒さをしのぐために買ったミルクティーに口をつける。

ちなみに冬は左側に座っている。

恋歌は焦凍が左を毛嫌いしていることを知っているので、夏はともかく冬は何も言った事がないのにいつの間にか左側に座らされている。

焦「大丈夫か?寒くないか?」

時々心配して声をかけてくれる。

『大丈夫!!こう見えて私鍛えてるし!

それにいっぱい着込んできたしね』

焦「そうか」

大丈夫と伝えれば焦凍はほっとしたように笑顔になる。

焦「なぁ恋歌」

『んー?』

焦「・・・いや、なんでもねぇ」

冷たくなってきた恋歌の右手を温めるように包み込む。

何か言いたそうな顔をしているが焦凍が今言わないのであれば、今は必要のない事なのだろうと”そう”とだけ返し、手は好きなようにさせている。


何度か一緒にいるようになってわかったことだが、焦凍は人にすぐに触れたがる。

主に手を繋いでくることが多いが、特に何をするわけでもなく手を触っているだけ。

恋歌は別に拒むことではないので何も言わないが、ただの甘えたがりだと思っている。

家での逃げられない英才教育、父親からのプレッシャー、母親との溝。

甘えられる相手がいなかった反動でもきているのかと恋歌は思う。

『ねぇ焦凍君』

焦「ん?」

『焦凍君は彼女とかつくらないの?』

恋歌の手を好きにいじっていた焦凍が一瞬動きを止めて、また手を触るのを再開する。

焦「なんでそんなこと聞くんだ?」

『焦凍君かわいいし同い年の女の子たちがほっとかないんじゃないかなって思っただけ』


いつもより少し不機嫌そうな声に何か地雷でも踏んだかなと思ったがどこがだめだったのかわからずそのまま思ったことを素直に口にする。
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