◇光と闇-櫻葉main-◇
□◇第1章◇
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最近なぜだかキミの夢ばかりみるんだ。
それもあまりいい内容のものではない。
それはいつも光のように輝いている君が闇に染まって“消えてしまう夢”。
俺がどんなにキミの名前を呼んでも、
キミはまるで俺の声なんて聞こえていないかのようにいつものように眩しく笑って
「翔ちゃんも、早くおいでよ」
と言うんだ。
それでも俺が必死に走っても手を伸ばしても、
キミの足の速さには敵わなくって、
早くおいでよなんて言う癖に伸ばした俺の手は取ってくれないんだ。
一生懸命息を切らしながら俺は走るのに、
キミは息さえ切らさず、スピードも落とさずに走って行ってしまうんだ。
―――俺を置いて。
そうすると
「俺・・・・ずっと待ってるからね・・・・」
そういうキミの切ない顔から溢れ出す涙がこぼれるのと同時に夢は覚めてしまう。
そして毎晩、毎晩この夢の繰り返し。