学校へ行こう
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『む・・・』
保健室の扉に手をかけ、鍵が閉まっている事に気付く。
離れるのは少しの間だし、怪我人や病人が来ていたら困るからと、開けたまま出ていった筈だ。
何奴。
『おっと』
鍵を開けた瞬間、内側から扉が開かれ制服姿の女子が走り去って行った。
「あーあ、行っちゃった・・・あ、もしかして噂の薫ちゃん?」
『そうだ。衣服が乱れているぞ』
「やだ、えっち!」
『大丈夫だ、変な気はおこらない』
「えー」
何をしていたのか、などと訊くつもりはない。
『追い掛けなくていいのか?』
「ん、いーのいーの。襲われそうになって困ってたところだし」
『その言い方だと無事だったようだな』
オレンジ頭の彼は、飄々としているように見えて顔に出やすいようだ。
「俺様が襲ってたと思わないの?」
『あぁ。顔に出ているぞ』
「、・・・・・信じるわけ?」
『まぁな、襲われそうになったと言ったのはお前だ』
「・・・噂通りだね」
『ん?』
「何でもなーい」
私の噂だと言うことは、薄々感付いてはいる。
内容はどうなっているのか。
そこまで気にはならないが。