学校へ行こう
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「あ・・・ごめ、ん」
『いや、いいが・・・さっきの生徒にしてやればよかったんじゃないか?』
「今のは・・・―――――、だから」
『ん?悪い、もう一度言ってくれ』
「〜っもういい!!薫ちゃんの・・・ばか!」
彼は勢いよく立ち上がると、ずんずん扉に向かう。
なんだ、元気そうだな。顔は赤いが。
『授業に出るのか?』
私の声に、足が止まる。
『もうすぐ休み時間に入るぞ、遅刻扱いにもならないだろう。二時限目から出たらどうだ?』
「今戻る!」
『そうか』
「なんかフラれた気分!」
何か怒っているのか?そんな叫ばなくても。
そんな事を思っていると、彼は顔をこちらに向けた。
「さっき、」
『ん・・・あぁ、聞き取れなくて悪かった』
「照れただけだから、って言ったの!」
確かに私の目を見てそう言った。
何だ、やれば出来るじゃないか。
『やれやれ』
私は、閉められた扉から名簿に目を移す。
『ふ、若いな』
“猿飛佐助”、“わかりやすい”。