短編▼
□カオス★文化祭
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「そこで私は決めたです‥‥二度と学園ドラマにあこがれた淡い幻想を打ち砕かれる生徒を出さないためにも、私自身がこの学園を取り締まっていくですと!!」
「そうっすか」
‥‥‥‥。
奮っていた熱弁をとりとめもない言葉で片付けられる
机を並べただけの売店カウンターに乗り出した姿勢で固まったライラ
その視線の先では“とりとめもない言葉”を放ったバイトが黙々と商品を並べている
本名が“バイト”であり趣味がアルバイトである彼は、自身の学費を自分で稼いでいるプロのアルバイターである
無気力そうな態度とは裏腹にその仕事振りは非常に優秀で、生徒会長から生徒会へ直接スカウトされ、現在は生徒会のバイト(時給1000ベル)で働いている生徒である
(というかそういう事は本当にどうでも良くてですね‥‥)
「‥‥ふっ」
軽く息を吐いて、カウンターに乗り出していた体を引く
そして一呼吸置いてから‥‥‥
「無視してんじゃないですよ!!」
ドッゴォォン!!と机にハンマーを降り下ろした
「‥‥どうしたっすか?もしかして情緒不安定だったっすか?」
「どうもこうも無いですよ!!人が涙ながらに去年のトラウマ話を語っているというのに、そのしっかりと職務を全うする態度は一体何なんですか!!?お陰で勉強机がカラフルなプラスチック机に変身ですよ!!」
「‥‥それ誉めてるのか罵倒してるのかどっちっすか?というか、まだ本編でも使ったことのないライラさんの魔法って使っても大丈夫っすか?」
「ここで現実持ち出さないで下さいです!!出し惜しみはやめただけですから‥‥
とにかく!!人の話を聞く時位は仕事しないで下さいです!!」
「少なくとも風紀委員がしていい発言じゃないっすね」
「うるさいです、まだ仕事にマジメなバイトさんなら相談にのってくれると思っていたですのに‥‥うぅ‥‥」
「カウンターに身を乗り出しながら自己紹介から入る昔話を一人で勝手に語るのは相談とは言わないっすよ」
「‥‥もういいです、一人でこの文化祭を取り締めてくるですよ!!‥‥‥ぐすっ‥‥」
「そんな泣く程の事でもないと思うっすけど‥‥‥」
「‥‥‥‥ぐすっ‥‥」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥ぐすっ‥‥」
「‥‥ティッシュなら一箱50ベルっす」
「‥‥買いますです」