復活
□ハッピーバースディ
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”おめでとう!獄寺”
深夜12時ジャスト。ピリピリとメールの受信を携帯が継げた。
ディスプレイを見ると、山本からたった一言”おめでとう!獄寺”とだけ打ち込まれていた。
12時ジャストにメールよこすとか・・・乙女か!と内心思ったが、悪い気はしないので心で思いついたことを山本に告げる気はサラサラ無かった。
今日は、俺の誕生日。今日は10代目の家で盛大なパーティをする事になっている。
だが、山本が野球部の合宿and強化練習とかなんとかでパーティにこれないという事がつい先日分かった。
そして、それを俺に告げてから山本は、
「12時ジャストにメールすっからな」
いつもの笑顔で俺に言い放った。
なんだか昨日の事をもう、遠い過去の話にしている自分が居る事に気がつく。
それと同時に山本は会いには来てくれないのか。という我が儘もよぎった。その考えを頭を左右に激しく振り、忘れようとする。だが、なかかなかその考えは消えていかなかった。
どんだけ図々しいんだ俺は。
そう思った瞬間携帯が再びなった。
”今、玄関に居るから開けて”
いわずもがな山本からのメールだった。俺の心が途端に沈んでいたものからウキウキした気持ちに変わる。
俺は急いで玄関に行き、チェーンをはずし鍵を開けた。玄関のノブを回し、外側に押す。
「おめでと!獄寺!!」
感極まったように山本が俺のことを抱きしめてきた。
あまりきつく抱きしめるものだから、息苦しい。いつものように怒鳴りつけてボムでも投げてやろうと腰に手を回す。
しかし、今日くらい良いだろうと思い、俺は腰を探った手を止めて、素直に山本に向き直った。
ハッピーバースデイ!獄寺!!
end