復活

□過ぎていく日常
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「なぁ、獄寺」
「ンだよ」


 そろそろ、イライラしてきたので、返事を返してみる。好きだといっても、コスプレにはまだなじめていない(馴染めというほうほが無理がある)

 机の上に俺よりも一回りほど大きな手を置く。すこし、焼けた手が、凛々しく見える。


「今日、俺の家来る予定だったろ?」


 そのことか・・。
 獄寺は、盛大なため息をつきそうになった。いつもいつも、俺を着飾るの為に自分の家へ呼び出すのだが、こうも、ずっと言われつづけていると、飽き飽きする。まさに、バカも休み休み言えだ。


「来なくていいわ。他に頼んだから」


 獄寺の目が見開かれる。山本を見つめる灰色の目が、驚愕と絶望で染められる。
 
 獄寺の口から、何故。とは言わなかった。ただ、ただ、苦しくて何もいえなかった。

 他に頼んだって、誰に頼んだんだ。俺よりもいい奴が見つかったのか。俺はもう、お前の着せ替え人形じゃなくなったのか。どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして・・・・。

 疑問の声が、獄寺の胸の中に響き渡る。まるで、山本に問い掛けるように。だが、その疑問の言葉は、喉のどこかに絡まって、いえなかった。呼吸まで出来なくなっていく。苦しい。


「だから、もういいや」


 いつもの爽やか笑顔でキッパリと言われたときには、もう、生きていけないのではないのかと思った。



 廊下でその姿を雲雀がほくそえむかのように見つめていた。
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