復活

□night
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 現在の時刻は、午後十時三十二分。もうすっかり夜の帳が落ち、あたりは犬の遠吠えを除けば、すっかり静かな住宅街の夜になっていた。
 獄寺はチャイムの音を無視しようと誓った。恐らく空耳だろう、こんな夜更けに訪問者がいるわけがない。と、思い、テレビのニュース番組に向き直る、そこには、少し年をとった初老の男性のニュースキャスターが、映っていた。
 ふと、玄関のほうから、声がした。

「ごーくーでーらー」

―――この能天気な声はッ!
 獄寺はピンと来た。この声は紛れもなく”奴”だッ!!と。そして、獄寺は窓のかぎをキチンと閉め、(開かないように、ロックも厳重に)そして、玄関へ行き、チェーンを下ろすと、近くにあった大量の傘立てをドアの前におき、ドアノブが回らないように、どこかにあったチェーンをぐるぐる巻きにして、自分のベッドにもぐりこんだ。
 なるべくなら、今”奴”に会いたくなかった。あったら最後。泊まるなどと言い出し、最終的に喰われるのがオチだ。
 そんなことにならない為にも、獄寺は居留守を決め込み、掛け布団を頭のてっぺんまでかぶった。

「・・・・」

玄関から人の気配が消えた。
 
 布団から這い出て、玄関の方まで裸足で歩いて行く。ぺたぺたと乾いた足から聞こえる音が五月蝿い。それに、心の音も耳元で鳴るようで、とても、五月蝿くてたまらなかった。
 ドクン・・ドクン・・・
 ドアノブの下についている回し鍵を回し、ドアを思い切り開けると、そこには、山本が満面の笑みで立っていた。いっそ、凶器だ。

「よぉ、獄寺!」

 獄寺後ろから、ニュースの声が聞こえる。
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