復活

□Merry Christmas
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「獄寺ー!」

 朝。
 初雪の降った朝はさすがに冷え込み方がいつもの倍以上違かった。その為か、通り行く人々は、防寒ばっちりだ、そして、獄寺も、寒さの為首にマフラーを巻き、制服のポケットに手を突っ込みいれていた。
 なるべく、後ろにいる人間の気配に気づかないフリをして。

「ごーくーでーらー!」

 耳元で、怒鳴られる。が、こんなのいつもの事で、獄寺は、まったく動じないように、必死で、無視の方向を保ちつつ、氷の張った地面を歩く。
 ざくざくと、一定のリズムを保つ音が楽しい。

「・・・獄寺ー!」

 獄寺。獄寺。獄寺。獄寺。獄寺。獄寺。獄寺。獄寺。
 山本の声が、耳元で五月蝿い。さすがに、無視するのも辛くなってきた。ヤバい。滅茶苦茶うざェ。怒鳴りてェ。
 そんな欲求を必死で堪えつつ、獄寺は、歩きつづけた。が、そんな我慢が実を結ぶはずが無かった。

「獄寺ーーーーーーーー!!!」
「うぜェェェェ!!!!!!!!」

 山本が、町内に響き渡らせるかのごとく、獄寺を呼んだ。さすがに、獄寺も、耐え切れなくなり、山本が叫んだのと同時に、大声を出してしまった。これはある意味、近所迷惑だ。

「獄寺♪」

 なんで、語尾に音符が飛ぶんだ。気色悪ィ。死ね。
 心で暴言をはきつつ、喜色満面とした、山本の顔を見つめる。

「なぁ、クリスマスプレゼント。今日、貰いに行くからな♪♪」
「・・はァ・・・!!?」

 音符がついに二個飛ぶようになってしまった山本のトンデモ発言に、獄寺は、口を大きく開けるしか出来なかった。
 こんな勝手な奴を見たのは初めてだ。と、獄寺は、思った。



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