復活

□風邪
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 その日、獄寺隼人は風邪を引いた。
 理由は割れている。昨日、髪を洗ったまま、ドライヤーをする事も無く。しかも、拭くこともせず、床についてしまったからだ。
 その為、今日の朝の、体のだるさといったら無かった。


 歩こうとすれば、地面が揺れているのか。自分の体が揺れているのか。足元がおぼつかないので、自分の足を、自分の足に引っ掛けて転んだ。それはもう、ド派手に。音で言うズッダァーンだ。

 こんなヘボい姿十代目に見られたら、俺は・・ッ!

 獄寺の”十代目の右腕”という、プライドが、少々だが、傷つけられた。
 が、そうもいって入られない。時計を見れば、もう、十代目を迎えに行く時間になっていたのだ。
 足が、おぼつかず、しかも、頭もぐらぐらしていて、もう、今にも倒れそうだが、獄寺は、そんな体に心の中で、怒気を全て吐き出すかのような叱咤を加えた。



 授業は、体育。外でのサッカーだ。
 山本は、外で、しかも球技とうことで、見るからにテンションが上がっていた。そりゃぁ、もう、五月蝿いくらいに。

 獄寺は、風邪を引いているながらも、体育に出席いていた。
 いつもは、体育などしないのだが。近頃、十代目に、ボールを当ててくる輩がいるので、出席したのだ。
 だが、ツナに、ボールを当てるきがある奴などいないのだと思う。ツナは、いつものダメっぷりを使い、パスされたボールに、つまずいて転んでいるだけなのだ。ある意味これは奇跡といえよう。

 だが、獄寺は、そんなこと認めるはずが無かった。
 ツナの顔面にボールが当たった瞬間、ボールをパスしただけの同級生に向かって二倍ボムを炸裂させていた。その姿はまるで阿修羅だ。
 しかし、こんないつものことが、熱でダルい獄寺に続くわけが無かった。次第と、テンションも下がっていき、最終的に獄寺は、倒れた。

 それに一番初めに気付いたのは山本だった。


「獄寺!?」


 すぐに、駆け寄り、獄寺の上体を抱き起こす。
 その時に握った手が、以上に熱いので、山本は、驚いた。この分だと、ゆうに39度を超えているだろうと。


「ツナ。獄寺、保健室連れてくから先生に言っといて」
「う・・うん」


 ツナは、幾分か心配そうな顔をして、獄寺の顔をみた。そして、「お大事にね」とだけ、言い残して、再びグラウンドに戻っていった。
 山本は、獄寺を、お姫様抱っこすると、小走りで、校舎に入っていった。



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