セイント†ブラッド
□開幕
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─ﾙﾏﾘｱ国・ﾋﾟｽﾀｰ学園─
新入生の入学式を終え、それぞれの科の進級式が始まる。
─上級科─
「これより、進級式を始める。」
壇上では級長が挨拶を始めていた。
「…眠い。」
級長の話が始まると、森 竜音はぼそりと呟いた。
「我慢しなさいよ。」
双子の妹、森 蒼音は怠そうな顔をする兄を睨み、小声で注意した。
「むりぃ…」
竜音は、そう言い終えないかのうちに、オヤスミぃ。と小さく寝息をたて始めた。
どんなに心に響く級長の話も、竜音にはすべて単なる子守歌にしか聞こえないようである。
眠ってしまった兄を呆れた顔で見ていた蒼音は、
「仕方ない…」
と呟くと、竜音が椅子から落ちてしまわないように、支えることにした。
そのまま進級式が終わるのをひたすら待つ。
新しい教士官の紹介や、様々な内容が過ぎていく間も、竜音は熟睡していた。
「─以上で、進級式を終了する。生徒は全員自分のクラスに戻って、教士官の指示に従い行動するように。」
３年の学年主任がそう言うのを合図のように、ザワザワと喋りながら生徒達は、自分のクラスへと歩きだした。
「竜音、終わった。」
「ん。」
そう短く会話を交わすと、双子も自分のクラスへと歩きだした。
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