05/18の日記

11:01
小説を書くとは
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 俺にとって小説を書くとは世界を創造すると言っても過言じゃない。
 作り上げた世界は、どこかの世界と似て非なるものだ。

 世界を創造すると言うと大げさに聞こえるかもしれないが大したことじゃない。
 単純に頭の中で世界を作っているだけだ。
 
 物語が作られると、そこに新たな命が吹き込まれて新たな命が動き出す。
 もしかしたら自分でさえ知らない何かが動いているかも知れない。
 俺が把握できているのは、俺が作り上げたキャラクター達だけだ。
 彼らだけは俺の認識の下、動いている。

 小説を書いて途中で止まると、その世界の時も止まる。
 俺が忘れるとその世界も忘れ去れる。
 思い出して、書き出すとまた世界が動き始める。

 ここで一つ面白いことが、書いている"小説を修正"することはその"世界を修正"していることにもなるのだ。
 さっきまで悲しんでいたはずのキャラクターが、悲しむに至った事象を変えてしまうことで"無かったこと"にされてしまう。
 これが良いことか、悪いことかは別にして俺の気分一つでその世界に住む者たちが大きく左右されてしまうのだ。
 
 小説である以上、自分が認識する者達以外は知らなくて当然だ。
 だが、その知らない者達が突然現れることがある。
 話の流れで、突如登場する時だ。
 俺の知らなかった人物が、その時点で現れて性格や容姿が決められて"認識する"に至るのである。
 それまで知らなかったはずなのだが、彼(彼女)が登場した途端に彼(彼女)がまるで前からいたように動き出すのだ。
 いや、恐らくその世界には最初からいたのだろう。
 だが俺が知らなかっただけなのかも知れない。
 そして、修正により例え登場しないことになっても彼(彼女)は俺の作った世界のどこかで生き続けていることになる。
 
 小説を書くとは、世界を作りそこに新たな命が動くことになる。
 物理的には存在しないが、書き始めた時からもう動いているのだ。
 これが面白くて俺は小説を書き続けられているのかも知れない。
 
 もっとも、仕事で疲れたりすると楽しむどころじゃないのだが。(苦笑)

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