TurnBack,YourBuck?

□大虚の伏線
1ページ/2ページ

そのころの現世では。
死神代行・黒崎一護と十三番隊・朽木ルキアが、ピュアチューレ空座町を歩いていた。

一護は手に、紙袋を幾つも抱えている。

「おいルキア。どうしてこんなに服を買い込むんだよ?」

一護は、自分の三歩前を行くルキアの背中に、声をかけた。
ルキアは振り向きもせずに答える。


「バーゲンだからだ!
現世のバーゲンとか言うものは、普段よりずっと安く服が買えるのであろう?
そういうチャンスは見逃せぬ」

「理由滅茶苦茶じゃねーか。あと、バーゲンのイントネーション違ってんぞ」
「突っ込むな!!」


ルキアは少々不機嫌そうに立ち止まると、一護が持つ紙袋をビシッと指差した。


「私は現世での私服をあまり持たぬからな。
もう少しそろえておかぬと、何かと不便なのだ」
「訳が全く分かんねえよ」

一護が顔をしかめた。

それにしても。

もしこの光景を他人が見たら、
どう思うのであろうか。
前を歩く女子の荷物を、全て持たされている男子。兄妹、もしくは…。

図らずも、何だかそういうシチュエーションである。


「私服ほしいんなら、浦原さんに頼めば良いじゃねえか」

一護の声に、若干の疲れが感じられるようになってきた。
ルキアが鼻で笑う。

「あ奴の準備するものは、いつもセンスがおかしいから気に食わん」

恋次の私服のことを言っているらしい。
即答だった。

「…他人のこと言えんのかよ」





一護は紙袋を持ち直し、嫌々ながらもおとなしくルキアの後について行った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ