リクエスト

□手首にキス
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世間では桜の季節 パンパンに膨らんだ桜の蕾がパン!と破裂して今か今かと花を咲かせようとしている

かぶき町の桜ももうすぐ開花 花見には絶好の季節が近づきつつある

万事屋銀ちゃんもそんな季節であるからして花見用の席取りなどで何軒か仕事が舞い込んでくる

「また花見の席取りの仕事かよ めんどくせえけどこれもおまんま食うためだ」

依頼の電話を切りメモ書きして壁に依頼内容のメモを張っていくこのこの男―

万事屋銀ちゃん社長 坂田銀時である

「やっと今月給料ちゃんと出そうですね かき入れ時だから気合い入れてやりましょうね銀さん」

社長机にいちご牛乳とコップを置き自分用のお茶を長テーブルに置いてソファーに座りお茶をすするこの少年―

万事屋ツッコミ担当メガネキャラ 志村新八である

「ちゃっちゃと仕事片付けて金入ったら焼き肉食べ放題アルよ!」

長テーブルに置いてあるお茶菓子のせんべいをバリッと勢いよく食べるこの少女―

万事屋ぎんちゃん紅一点 大食らいで力持ち 万事屋一家の華 神楽である

この3人がかかわる事件・・・まあいろいろあったが今回これから銀時が巻き込まれる事件は―




「手首にキス」



万事屋の黒電話がまた響き渡った

「あ、また依頼の電話かな ・・・よいしょ はいもしもし万事屋銀ちゃんです ・・・あ!晴太君久しぶり!」

厠から出てきた銀時が新八の<晴太>という言葉に反応した

晴太―以前銀時の財布を盗んだのをきっかけに闇の地下組織 吉原桃源郷の楼主鳳仙を排して吉原を表向きの自由都市にしたのは紛れもないこの坂田銀時なのだ

本人は「ただ百華とともに袋叩きにしたまでだ」とうそぶいているが銀時がいなかったら未だに吉原は自由の無い 鳳仙にがんじからめにされていたのは間違いない

そして晴太は血は繋がってはいないが実の母と同じくらい強い絆で結ばれている日輪がいる

そしてここにも日輪と強い絆で結ばれている女が一人―

吉原の番人 吉原自警団百華頭領 月詠である

百戦錬磨 吉原に害なすものこれを処断する 死神太夫

鳳仙を廃したときも 地雷亜を直接対峙し手にかけたのも月詠とともにである

顔に傷が有るがそれさえも美しさを際立ててしまうほどの美貌の持ち主で今にも零れ落ちそうな豊満な胸 深く入ったスリットから垣間見える網タイツに包まれた太もも

心もスタイルも美しい月詠は吉原でも一目置かれている

そんな吉原の救世主坂田銀時と死神太夫月詠

このふたり顔を合わせればいつも言い合い「無愛想」「焼野原」など

ああいえばこう返す 

周りから見ればただの痴話喧嘩なのだが当の本人たちはまったく自覚がないらしく同じことの繰り返しである




吉原の御用聞きも万事屋の仕事では大事な仕事であるから今回の晴太の電話もまた依頼だろうとジャンプを手に取りソファーに寝っころがろうとした瞬間―

「銀さん 晴太君が銀さんにかわってって 大事な用だから銀さんに直接話すって」

「なんだよ ジャンプ読もうと思ってたのに・・・・はいはい銀さんですよ〜」

めんどくさそうに電話を替わった

その時晴太から聞いた言葉は意外なことだった

もちろん依頼ではない

「つつつ月詠姐が・・・・・結婚するって!!!」

銀時はなぜか動揺してそのあとの晴太の説明をあまり聞いていなかったようだ

静かに電話を切りその場に立ち尽くしていた

「・・・・ん ・・さん・・・銀さん!!」

最初新八が何度呼んでも反応がなかったので仕方なく大声で叫んで銀時を正気にさせる

「は・・・・なに?新八 呼んだ?」

「なにって・・・どうしたんですか? 晴太君に・・・吉原に何かあったんですか?!」

「あ・・・ああ・・・なあ新八 花見の場所取りお前たちだけでできるよな」

「え? ・・・はい 定春がいればなんとか」

「じゃ俺吉原の依頼受けるから花見の方よろしくな」

そう言い残すとふらっと玄関に向かいブーツを履きそのまま出て行ってしまった






「ちょ・・・ちょっと銀さん!! もう!勝手なんだから!!」

勝手な行動はいつものことだから仕方ないので今回の花見の報酬は神楽と定春と自分で山分けしよう と心に決める新八であった





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