□海と変態
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「ん…… ふわぁ〜」
嗚呼 晴れてる、良い朝だ。


「海日和だね」

「そうね。」

今日は、カドルス達と海へ行くの予定がある。



「……え?」

ん、今 私誰かと会話した?



視線を下げ、視界に入った笑顔は


「おはようソフィア」

にこっ



一人暮らしの私の家のベッドにあってはならない筈のものだった。


「へ……、」



へんたああああああああいっ!!




……



「早寝早起き朝ビンタは初体験だなあ はは」

「そう、良かったわね不法侵入者さん」

「うん良くはないかな。ところで、俺も朝御飯まだなんだけど……」

「そう、良かったわねストーカーさん」

うん、今日のスクランブルエッグは一段と美味しいわ。

一口、また一口と卵の素晴らしさを噛み締めているソフィアの前、


「お……お腹すいた」

腕を椅子にくくりつけ、
身動きが出来ないランピーがソフィアの口の中へ吸い込まれていく黄色を羨ましそうに凝視している。



「1回餓え死んでみたら?」

軽蔑の眼をランピーに迷いもなく向けるソフィアは、オレンジジュースを飲み干した。

「ああ、でもなんかこれ
一種のプレイだって思ったらぞくぞくしてきたかも……」

海に沈めてあげようかしら。


私の罵倒は、ランピーのおめでたい頭のなかには届いておらず、まさに馬の耳に念仏、(鹿の耳に念仏?)


「ソフィアったら毎回ホントに上級者だよね〜 たまんないよ」

「貴方の変態は世界一の精神科医でも治せないでしょうね」

「今ロープがほどけたら俺襲っちゃうかも……」

「大丈夫よ餓死するまで外れることはないわ。」

「海いくの?」

「もう時間だもの」

「ほ、放置プレイ……!!
俺耐えれるかなあ、」

気持ち悪いくらい変態なランピーを一瞥し、食器を片付けに向かう。



「耐えきれなかったらすぐ舌噛みきっていいから、ていうかもう今からやってくれると嬉しいんだけど」


なんで、こんなに罵っているのに私を嫌わないのだろうか。
あり得ないくらい引く。


「私のどこがいいのよ……」


ため息は、食器の洗浄音に掻き消された。



……


「じゃあ、帰ってくるまでに死んでてね」


着替え終わり、玄関へ向かう途中、一応念を押すために変態のもとへ向かう。

「ソフィアの水着……!
その格好のまま行くのか!?」

ランピーは私の格好がそんなに予想外だったのか、大きく眼を見開いた。


露出少なめだとでも思ったか
私も今年は遂にビキニの仲間入りなのよ!


「ええ、プール近くだし。
なかなか似合うでしょ?」

「駄目!」

「……ごめん意味わかんない」

「俺以外にそんな肌見せたら駄目だ!!」

「そんなこと言われても行きますけどね、じゃ」


こうなることは大体予想がついていたが、なにせランピーは身体を拘束されている。



まず動けないから余裕。







刹那



「なにが余裕なの?」

「え?」

すぐ後ろから聞こえた声に振り返れば、暗転。


どたんっ


「ったぁ〜」

ランピーに押し倒されてしまった。

「あんな弱い結びで俺を拘束できるとでも思った?
まだまだ甘いねえお嬢さん」

「……今までの全部、演技だったのね……」

「台詞は本気、行動は演技。
でもちゃーんと俺はソフィアが好きだから安心してよ」


軽やかな笑顔とは裏腹に、
握られた手首には凄い力。

動けない……、


「いつもめげずに俺を軽蔑してるけどさ、
そんなんじゃ諦めないくらい、ソフィアが好きなの……もう知ってるよね?」


ずっと、愛したかった


「っあ……!」

首筋を舌が這う。


「こんな姿見ちゃったら、
もうヤらずにはいられないよ……」

内腿をなぞられ、からだが反応する。

「ふふ、可愛くなっちゃって……、
今日のプールは、俺に夢中で行けませんでしたー」

「最低……!!」

「そうやって言ってられるのも今のうちだよ?
すぐ、快楽を求めて俺に喘ぐんだから」




変態、嘗めないでね?



 
 
 
 
 
カーネーション黄―軽蔑―
 

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