短編

□幻想の中で
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復讐者の牢獄―
音も光さえも届かない場所に…
『…骸…』
どこからか聞こえる声。
この声は聞き覚えがあった。
(綱吉君…?)
普段はクロームが何かを伝えるときぐらいしか聞こえなかったはずだ。
もしこの声が本当に綱吉君だとしても
彼は幻術は使えない。
『骸…』
次の瞬間、僕はいつも散歩をしていた
幻想世界にいた。
「…?これは一体…」
よくわからなかった。
綱吉君の声が聞こえるにしても、
いつの間にか幻想世界にいるにしても…
とりあえず何かないかとまわりを少し歩いてみた。
「…おや」
しばらく歩いていると見覚えのある人が
倒れていた。
まぎれもなく…
「綱吉君」
しかし名前を呼んでも返事はなかった。
「…なにも、この幻想世界に来なくても…」
僕は慣れてしまったが、幻想世界に来るのには強い精神力が必要となるのだ。
綱吉君ならまだしも普通の一般人がここに来たら狂うほど―…
…とりあえずどうにも起きない彼を起こすにはどうすれば…?
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