ほん
□獣のように食べて頂戴
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「太陽……」
その日、雛乃は一週間ぶりに病院へ、雨宮の見舞いにきていた。
愛しい愛しい名前を口にすると、彼のベッドへとちかづいていく。
だが、そこで雛乃は違和感に気付いた。
いつもなら、名前を呼んだらその愛くるしい笑顔で、金輔っ!と呼び返してくれるのに、今日はそれがない。
また病室を抜け出してサッカーでもしているのか、なんて雛乃は考えたが、それはちがった。
雨宮は、ベッドの上で規則正しい寝息をたてていた。
「おや、寝ていたのですか…」
そう、ぽつりと呟いた。
それにしても、寝顔も大層端正なことですよね…、なんて思いながら、顔を近付ける。
顔に触れようとし、手を伸ばしたその時だった。
いきなり、ぐいと手を引かれ、ベッドに倒れ込んでしまった。
「太陽…、起きていたんですか……」
ベッドに倒され、馬乗りになられても、焦る事はしない。
「うん、もちろん」
大事な恋人が来るのに、寝てるわけないじゃないか、なんて雨宮が言うと、雛乃の頬はみるみる赤く染まる。
「よく、そんな恥ずかしいことサラッと言いますね…」
「本当のことだし?……それより、さ。金輔がなかなか来てくれないから溜まっちゃってるんだよね…。だから、シよ?」
あなたって人は…、なんて言いながらも抵抗はしない雛乃。
抵抗する理由なんかどこにもなかった。
「ふふっ、…どうぞ」
そう言って、雨宮に身を任せる雛乃。
雨宮は雛乃が抵抗しないのをいいことに、好き勝手としていく。
たとえば、耳を甘噛みしたりだとか、首筋を噛んだり、時に吸い付き、自分のものだというシルシをつけたりだとか、本当に好き勝手。
そのたびにいちいち、声をあげてしまっている雛乃。
太陽に奔放されっぱなしだな、とつくづく思う雛乃だが、こういうのは悪くないな、とも思っている。
「金輔……、」
「ん、なんですか?」
「そろそろイイかな?」
そう言って、雛乃の服を脱がせにかかる雨宮。
質問しているはずなのに、雛乃の答えをまるで聞いちゃいない。
だからと言って、雛乃も止めたりせず、雨宮のペースにまかせている。
「金輔、舐めて?」
そう言って、自らを雛乃の口元に持っていく雨宮。
ソレ特有の雄々しいにおいが鼻につくが、雛乃は言われた通り、雨宮のを舐める。
「ひゃいよう、きもひいれふか?(太陽、きもちいですか?)」
しゃぶりながらなので、呂律がまわっていない様子の雛乃。
普段、なにかをくわえて喋るのは、美しくない、と言ってしない雛乃。
こんな雛乃を見れるのは、きっと雨宮だけだろう。
そんな優越感に浸りながら、雨宮は
「うん、きもちいいよ」
と、答える。
その声にはどこか余裕がないように感じられた。
そんな雨宮の様子を感じ取り、雛乃は雨宮のペニスを根元深くまでくわえては吸って、を繰り返した。
「金輔っ、」
そう言うと共に雨宮は白濁を放った。
雛乃はそれをごくん、とのむと、少し顔をしかめた。
「……まずっ」
そう言わずにはいられなかった。
いくら大好きな太陽の精液でも、こればかりはいやですねえ、なんて雛乃が思っていると、雨宮が雛乃にキスをした。
舌を器用に滑り込ませ、雛乃の舌と絡ませる。
「んっ、ふぅ…、たいよ…ぅ……。あい、してます」
「僕、も……だよ」
深いキスを終え、雛乃は酸欠でなのか、若干ぐったりしていた。
「金輔、大丈夫…?」
雛乃の調子を伺う雨宮。
それに対し雛乃は、大丈夫です、と言いきった。
「ならいいんだ。ね、金輔、今日は金輔が自分でいれてよ」
さらっと、軽く言う雨宮に、雛乃は密かに、大丈夫じゃないと言えばよかった、と後悔した。
が、雛乃はちゃんと言われた通り、自分でいれようとする。
雨宮がベッドで上向きで寝転がった状態で、その上に雛乃は跨がる。
そして自分の後孔に雨宮のペニスの先端をあてがうと、腰をゆっくりと落として行く。
「ぁっ、たいよっ、んっ、あぁっ、むり、むりですっ」
まだ半分も入っていないのに、雨宮によがる雛乃。
そんな雛乃が可愛くてたまらない。
もう少し可愛い雛乃を見ていたいが、自分も限界なので、雛乃の腰をつかむと思い切り落とした。
「ひぁああああぁああっ」
急に奥まで貫かれた事で悲鳴のような声をあげる雛乃。
口元からはだらしなくよだれを垂らしており、腰がガクガクとしている。
「すごい顔……。金輔、動ける?」
そう雨宮に聞かれ、雛乃は首をぶんぶんと横に振る。
「しょうがないなあ」
雨宮はそう言い、雛乃を下から突き上げはじめる。
「あっ、ぁああっ」
「くっ、金輔、うるさ、いよ」
雛乃の喘ぎ声は加減を知らないため、注意をする雨宮。
だが、雛乃の声は小さくならないので、雨宮は雛乃の口をキスでふさいだ。
すると、若干声が漏れはするものの、だいぶマシになった。
「ぷはっ、金輔っ、出すよ」
「んあっ、うんっ、来て、くだしゃいっ、太陽の、いっぱいちょうだいっ」
雨宮に言われ、雛乃はとぎれとぎれにそう言った。
雛乃も突かれている最中1度欲を解き放っていたが、もう限界が近そうで先走りが先端から溢れ出ていた。
そして、雨宮がひときわ深く奥を突き、雨宮自身の欲を吐き出すと同時に、雛乃も白濁を飛ばした。
「はぁっ、はぁっ」
浅い呼吸をする2人。
疲れてしまっているようだった。
「相変わらず、金輔は乱れるね」
「太陽が、はげしすぎるんです」
「ま、乱れてる金輔も愛してるからいいんだけど」
雨宮がそう言うと真っ赤になる雛乃。
「………馬鹿っ、愛してる」
雛乃もお返しにそう言ったら、雨宮も赤くなり、2人して真っ赤になった。
そんな様子で、しあわだな、と雛乃と雨宮は思うのだった。
おわり\(^o^)/