ほん

□じぶんの言葉に後悔した
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放課後になり、携帯を開くと新着メールが1件。
差出人は、恋人だった。
学校終わったら来てほしい、というなんとも自分勝手な内容だったが、雛乃はそれを嬉しく思っていた。
だから、今すぐにでも彼の元に向かいたかったのだが、妨害(主に佐田)のせいで、予定よりも遅くなってしまった。


息を切らし病室につくと、ご立腹気味な恋人。結構しっかりしているようで子どもっぽい雨宮は雛乃からしたら、すごくかわいい。
思わず笑みを零すと、何笑ってるのさ、と咎められた。

「どうして遅かったの?」

「蘭子さんの所へ行った後、佐田につかまりまして」

「……ふーん」

さも、興味ないといったような態度。自分から聞いたくせに。
でも、これはたぶん、嫉妬したから。

「今日は、あなたの好きにしていいから、機嫌なおしてください」

そしてキスをする。
伊達に雨宮の恋人をやっていない、というわけだ。雨宮の扱いは人一倍わきまえている、と自負していた。

「その言葉、忘れないでよ?」

妖しく微笑んだ雨宮に、明日の部活はだるくなるんだろう、と覚悟した。



雛乃をベッドに押し倒して、慣れた手つきで雛乃の制服をぬがせると、ベルトで雛乃の手をベッドにくくりつけた雨宮。
そして雛乃の首筋に思い切りかみつく。
痛みに顔を歪ませる雛乃。
でも、そんなのはお構いなしに行為を続ける。
首を噛むのはやめ、ぺろ、と舐めると、雛乃が甘い声を漏らす。
そんな雛乃に満足気に微笑むと、手ぬぐいを取り出し、それで雛乃の目を覆った。
そしてその状態で雛乃の身体を弄んでいく。

「ひっ、ぁあ、やっ、やらあぁあっ。たいよっ、たいようううぅっ、こ、わいですっ」

手ぬぐいのせいで、雨宮の顔が見えず、今どんな表情をしているのかわからないし、次はどこを触られるのかわからず、怖かった。
でも、見えない事でより敏感になり、いつもよりも興奮もしているようで、先端からカウパーが溢れ出ていた。
それをすくいとり、後ろの孔を拡げる。
慣らせたかな、と感じ、拡げたそこに雨宮自身をあてがうと、一気に貫いた。

「ひあっ、あああああぁあああっ、た、いようっ!こわいっ、こわいいいぃいいっ」

喘ぎながら、こわい、と言う雛乃。
手ぬぐいで隠された目元から涙もこぼれた。
なのに、手ぬぐいは外されない。そのまま行為は続く。

「はっ、金輔、大丈夫だよ」

「やらっやらあっ、こわい、んれすっ」

子どものようにぼろぼろと涙をこぼす雛乃に、さすがに罪悪感は感じつつも、止める事はできないので、雨宮は腰を動かし続ける。

「たい、っよう、も、むり、あああっ、イくっ、イっちゃいますっ、ああああぁあァっ!!」

ひときわ大きな嬌声をあげ、身体を反らせ、白濁を放つ。
そのすぐあとに雨宮も雛乃のナカで果てたのだった。



「金輔、ごめんね」

「謝るくらいならしないでくださいよ、と言いたいところですが、今回はぼくがいいと言ってしまったので、咎められません。だから、許します。……でも、怖かったです。太陽の顔、見ていたいのに、目隠しをされて」

「僕も、あまり好きじゃなかったなあ。金輔がどんなえろい顔をしてるのか見れない。だから、今から目隠しなしでやろう!……好きにしていいって言ったのは、金輔、だからね?」

ああ、確実に明日は声がかれるな。とか、好きにしていい、なんて言うんじゃなかった。などと考えつつも、どうぞ、と答える雛乃だった。




おわり

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