NARUTO

□卒業試験
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「ねぇ、あの子…」
「例の子よ。一人だけ落ちたらしいわ! 」
「フン!いい気味だわ…」
「あんなのが忍になったら大変
よ」



数人のおばさんたちがヒソヒソと
公園の方を睨み付けている






見るとそこには
ブランコに一人で俯きながら座っているナルト。




『ちょっとそこのオバさん方?』


カナは普段と変わらない
顔で、呼んだ


数人のおばさんたちがビクッと カナの方を向いた



そして何かいう前に カナは言った



『それが大人のすることですか。
見苦しいにも程がありますよ。』



柔らかな雰囲気からは想像もつかない言葉でおばさんたちを罵った




おばさんたちはビックリすると
目付きを変え


「何が悪いのよ!私たちは本当のことを言ったまでよ!」


そうよそうよと周りのおばさんたちも言い出す

「それにアンタみたいな子どもに言われることなんてありゃしないわ!
アンタは知らないだろうけどね!あいつは「おや?ご婦人、そんな大きな声で叫ぶのは女性としてはしたないですよ?」ッ!!」



キヨが煙管をくわえながら
ゆるりとした足どりで此方に近づいてきた



おばさんたちは、いきなり出てきた大物に驚きが隠せない

そんなおばさんたちにキヨは



「すべて聞いていましたが、
なかなか、どうして貴女方の考えには理解しかねますね。」


ふぅーっと口から煙をだし
おばさんたちを見た


その目はあきらかな軽蔑と
呆れているようにも見える

おばさんたちはさらに動けなくなった

「あの子が貴女方に何か危害を加えたことがありましたか?」


「っ!でも!」


「少なくとも。大の大人があんなに小さな子を集団ではぶいて陰口を言うなんて、恥ずかしい限りです。」



「うっ!」

おばさんたちはたじたじだ

「そんな歳でまだ他者の心の痛みがわからない貴女方は、
はっきり言いますがとても醜いです。
この子と比べるまでもありませんね。」


「何なのよ!あんな奴!言われて当然なのよ!なんでキヨさんまで庇う必要があるのよ!」

おばさんたちはキヨが木の葉に貢献し、自分達もそれに助けられているから我慢していたが
さすがにあそこまで言われて
黙ってはいられなかったようだ




キヨはおばさんたちを冷たい目で見ると


「あの子は木の葉の大切な忍。


うずまき ナルトです。


私の目の届く範囲で里の子供を傷つける身勝手な大人は、

誰であろうと許しません。」



おばさんたちは顔を青くして
言い返せなくなったのか
その場を去ってしまった。





『キヨ。』


「カナ、貴女はとてもがんばりました。
たとえ、ナルトが聞いていなくともいつかこの気持ちはナルトに届きます。」



『ナルト、行っちゃった。
一人で、孤独で』


「大丈夫ですよ。ナルトには、 カナがいます。離れていても変わりません。 」



『! うん。そうだよね...』


「はい。そうです。」ニッコリ









その光景をシカマル親子とチョウジ親子が目撃していた





「あれがカナの...」


「そうだ。キヨっつーんだ。別嬪だろ?」


「うん。物凄く綺麗な人だね。ボクあんなに綺麗な人初めて見た」


シカマルの言葉にシカクが応えチョウジが反応する



「キヨってやつは何者なんだ?随分アイツら怯えてたけどよ?」



「キヨは木の葉病院の薬品研究の最高責任者だ。その薬品知識と高い技術力でたくさんの功績を残している。」


シカクの言葉にシカマルは顔をひきつらせる


「おい....親父。キヨって何歳だよ?魔女か?」


シカマルの考えは間違っていないだろう。キヨという名は木の葉では知らないものはいない


けどほとんどの人がその本人を見たことがないという

シカマルもその一人だったが誰があんなに若い人をあのキヨと思うだろうか?



「ははは!シカマル冗談よせ!まさかキヨが若作りしてるとでも思ったのか?アイツは今年で26だ!」




木の葉病院の薬品研究の最高責任者。
その功績は他国にまで響きわたる


姿を見たことがない人のキヨ像は歳をとっていると思い込んでいるため

気がつかないだけなのである。




「マジかよ....」



シカマルは冷や汗をかく




「じゃあキヨさんっていつからすごい人になったの?」


チョウジがシカクに聞く



「キヨは小さい時からその才能を上層部に買われ推薦されていた。けどずっと断り続けていたんたが14の時カナを拾い育てると決めると同時にその役職に就くと決めた。そしてたった3年で最高責任者になった。」


「17で...」


「まぁキヨが断り続けていなかったらもっと早くにそうなってた。キヨからしたら遅い方だろ。」


「美人で頭もよくって性格もいい。完璧人間だな。」


シカマルの言葉にチョウジは頷きシカクは顔を暗くする


「シカマル、チョウジ。その言葉キヨとカナの前では絶対言わないでくれ」


「なんでだよ?」


ほんとのことだろ?とシカマルとチョウジは不思議そうに自分たちの親を見つめる。


「...それは俺たちの口からは言えない。」


チョウジの頭を撫でながらチョウザは口を開いた


シカマルとチョウジはしかめっ面をしながらも素直に頷く



そんな二人にそれぞれの親父たちは笑顔になると




「まぁ。お前らならすぐに聞かせてくれるさ。」


「ちゃんと受け止めてやってくれ」



そう言って自分たちの子どもの頭を撫でる




シカマルとチョウジは、理解できなかったがその話はきっとカナたち二人にとって辛い過去なんだと感じた。




シカマルは二人仲良く手を繋いで小さくなっていく背中を見つめた






「(大切な女を守れ......か。)」


わかっちゃいるがその女が自分が知らない過去をもっている。



さっきはわかってると言ったが




知らないのにどー守るんだ




シカマルは一人自傷気味に笑うと





「アイツのことならなんでも受け止められるっつーの。」


だから



だから早くオレに、オレたちに話せよ





呟いたその言葉は風にさらわれていった


















その頃ナルトはある事件を引き起こしている真っ最中であった













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