D.Gray-man

□第3夜
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一方その頃、カナは




『ここね……』



そう言い見上げるのは絢爛豪華な建物
赤を基調とした東洋らしいデザインの装飾



彼女がキャッチした有力な情報はここに数日前からクロスがアニタという女主人の営むこの店にいるというもの


『ホントにクロスらしい情報ね』


そう言って中に入ろうとすると、使用人らしき人が出てくる
私のローズクロスを見て察したらしい



「お待ちしておりました。エクソシスト様」


『こちらこそ、急にごめんなさいね。クロスはどこに?』


「滅相もありません。ご案内いたします。どうぞこちらへ」



とても大きな人だなと見上げる。一瞬男と見間違えてしまったが、よく見るととても綺麗な顔立ちをした女性だった。



『クロスはいつからここに?』


「ちょうど一週間前からでございます。」


『…そう、随分と長居をしているのね。あの人が元帥だろうと男だろうと、よくもてなしてはダメよ?あの人からイノセンスをとったらただのヒモよ。』


真剣な顔でそう告げた私に使用人は困ったように笑った



「選ばれし神の使徒様をそのように言えるのは同じく選ばれたものだけにございます。何も持たぬ我らには、偉大なお方です。もちろん、あなた様も」


『みんなそう言って、彼には甘いんだわ。いえ、違うわね…クロスが甘いのね。何でも自分の思い通りになると思っているんですもの。私もその1人なんだわ…』



そう言って悩ましく溜息を吐いた



「それがクロス様の魅力なんでしょうね」



そんな私の様子を見て使用人は少し可笑しそうに微笑んだ





「この奥に我が主アニタ様とクロス様がいらっしゃいます」


そう言って使用人はきらびやかな襖を開ける





広い部屋には香しいお香のにおい
散らばる酒瓶…はなく、遠目から見ても分かるほど手間のかかる装飾のお膳を前に悠々と酒を飲む探し人



「よぉ、遅ぇぞ」



そう言って彼、クロスはにやりと笑いつがれた酌を飲み干した










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