NARUTO

□試験
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本日もいつも通り任務の第七班

先日波の国から帰って来てからは至って平和な日常を送っている



「ふう…」


そんないい日に
サクラが一人ため息をはいた





サクラは視線をナルトとサスケにうつす




「........(なんか…波の国から帰って来てからちょっとおかしくない?)」




目が合うとあからさまにそらし、なのにまた相手の様子をうかがったりとなんだかギクシャクしている


かといって、理由がわからない以上サクラにはなにもできない




「はぁー....紅緒早く来ないかなぁ.....」



そう言ってまた二人に視線を戻し



口に出したことを後悔する






「あの子が時間どうりに来るなんてこと、あり得るのかしら」





そして、また今日何度目かわからないため息をはいた





















そして三時間後…



「やー諸君、おはよう!」


いつも通り、のん気にカカシがやってきた


「今日は道に迷ってな…」

「「いつも真顔で大嘘つくなっ!!」」


毎度ながら、この適当に並べられた言葉にナルトとサクラは怒鳴る


その時いつのまにか紅緒が現れた



『お。ちょうどカカシも来たのかぇ』



「「あ!紅緒(ちゃん)!おはよう!(だってばよ!)」」


『おはよう』


見事にハモった二人に笑顔で返す


「なんなの君たち.....紅緒の遅刻にはなにも言わないのね.....」



そんな光景にカカシはいじけてしまった





そんなのお構いなしに
ナルト突然先生に


「あのさ!あのさ!カカシ先生さぁ!俺ら七班、最近簡単な任務ばっかじゃん!?俺がもっと活躍できる何かこうもっと熱いのねーの!?こう、俺の忍道をこう!!心をこうさぁ…!!」


「あーハイハイ…」


言いたいことはだいぶ分かった。言葉通り燃えている彼は刺激を求めているのだろう





「オイ!ナルト何やってる!任務行くぞー!」



一人なにやら回想をしていたナルトはみんなより一足出遅れた


「オッス!!」


「アンタさっきからうるさいわよ!」


『うまくいくといいのぉ』



そう彼女は朗らかに言って本日の任務にむかった



















そして、任務は終了



「もう、無茶するからよォ!」


「フッ…ったく世話の焼ける奴だな」


両方の耳から聞こえる非難の声。
それに、サスケの嫌味は勘に障ったらしいサクラに支えられながらナルトは騒ぐ


「ムッキィー!!ザズゲー!!」


「わ、ちょっと!」


いきなり腕を振り回そうとするナルトにバランスを崩すサクラ


「これ以上暴れたらトドメ刺すわよ!!」



サクラが怖い顔で言いながら拳を振り上げる。


「フン」


サスケは背を向ける



「んー…最近チームワークが乱れてるなぁ…」


そんな光景を見ながら、カカシは呟く


『男どもは何でこうも張り合うのかの』


その隣でカカシにだけきこえる声で言う紅緒に苦笑するカカシ



「そーだ!そーだ!チームワーク乱してんのはテメーだよサスケ!!いつも出しゃばりやがって!!」


「そりゃお前だ、ウスラトンカチ。そんなに俺にカリを作りたくねーならな…

俺より強くなりゃいーだろが」


「!!」


「(なーんか前より仲悪くなってきたわね…)」


『.....(もっともじゃな)』



カカシのみならず、サクラまで行く末が心配になってきた


そのとき、頭上で一羽の鳥が飛んだ。何かを知らせるように飛び回っている。

それを見て、カカシは目を細めた。


「さーてと!そろそろ解散にするか。俺はこれからこの任務の報告書を提出せにゃならん…」



そう言って逃げるように消えた先生




「…なら帰るぜ」


それを聞くと、すぐさま背を向けるサスケ。
それをサクラが呼び止める。


「あ!ねーサスケ君待ってー!あのねェ …これからぁー」


ナルトはサクラを誘いたかったらしく、手を伸ばしかけている。
だがやはり動くのはサクラが早かった


紅緒は三角関係を眺めることにした


「私と2人でェーチームワーク深めるってのはー」


「お前もナルトと同じだな」


ピシッと固まるサクラ。

かまわずサスケは続ける。



「俺に構う暇があったら術の一つでも練習しろ。はっきり言って、お前の実力はナルト以下だぞ」



そう言い残すと、サスケはスタスタと帰っていってしまった。

サスケの言葉が、サクラに重く圧し掛かる。



「えェ〜!今日は忍者ゴッコしてくれるって言ったじゃあん!コレェー!!」


その時 一人の子供の声が響いた。


目を向けると、ナルトと話している三人の子供。
声を上げたのは、中央の長いマフラーをしている少年だろう。


「フン…忍者が忍者ごっこしてどーすんのよ…」


隣から聞こえた暗い声



『.....サクラ...』


紅緒はただ名前を呼ぶことしかできない

サクラは死んだような目でナルトをジーッと見つめた


「(それにしてもコイツ以下…)」


「な…何でしょう?」


サクラに見つめられるなど滅多にないナルトは照れている



「あ!紅緒ねーちゃんじゃねぇーかコレ!」



突然、サクラたちを見たかと思うと紅緒を見たとたん指を指して叫ぶ


紅緒は今までサクラに向けていた視線を声のするほうへと向けた



『おや?木の葉丸ではないか!』


木の葉丸の存在に気付くと目をハッとさせ嬉しそうに寄ってく彼女


「そーだぞコレ!なんで今まで気づいてくれなかったんだ!」


そんな彼女にふんぞり返って問いただす木の葉丸



『すまぬ』


抱きすくめようと伸ばした手は中途半端な形でさ迷う


「もー許さねぇぞコレ!?」


ぷんすかしている彼にアワアワと焦る彼女


『どうしたら許してくれるかの?』


その言葉を待ってましたと言わんばかりの食い付きで木の葉丸は紅緒に言った


「じゃあ!またオレの家で泊まって遊んでくれたらいいんだぞコレ!」


目を爛々と輝かせ言う木の葉丸に目をキョトンとさせる紅緒



木の葉丸の言葉を聞いてすかさずナルトは割り込む


「なにいってんだってばよ!そもそも!木の葉丸ってば!紅緒ちゃんとどーゆう関係なんだってばよ!?」


テンパるナルトに木の葉丸はニヤリと笑い



「なーんだナルトのにぃちゃん?さては、羨ましいんだなコレぇ〜!」


そう言ってドヤ顔でいい放つ木の葉丸



「そんなことねぇーってばよ!ふんだ!」


そう言いそっぽを向いたナルト




『妾と木の葉丸は、兄弟みたいなものじゃ。火影様の元で木の葉丸の家族と一時期過ごしたことかあっての.....まぁ。今は、違うがの』


そう言うとスッキリしたのか



「なぁーんだ!そーゆうことだったのか!」


そう言って笑うナルト



「で?ねーちゃん返事は?」


『勿論、喜んで』


「ぃやったーー!」


彼女の答えに飛んで喜ぶ木の葉丸


ほのぼのとした空気だったが




唯一サクラからはドンヨリとした空気を纏いながらずっとナルトを見つめていた


ナルト以下という言葉がまだ頭の中で響いているようだ



「(にしても、この姉ちゃんはずっ と兄ちゃんのこと食い殺すような目で見てるな…コレ…)」


そこで何か閃いた木の葉丸。
ナルトとサクラを交互に見て、ニヤリと笑った。


「兄ちゃんもスミにおけないなぁ」

「は?」

「あいつって兄ちゃんの…

コレ」


木の葉丸は小指を立ててナルトをこずく


「!!」

「へへへ、もー!君達ガキのわりに鋭い…」


「ちがーう!!」


サクラは全否定と共に、ナルトに鉄拳をお見舞いした


「兄ちゃん!!」


ボールのように跳ねながら地面を引きずるナルト


最後には壁に激突した。
とてつもない威力


『な、ナルト』


「な…なんてことすんだコレ!!」


「ヤダァーリーダー!!死んじゃやだー!!」


木の葉丸達はナルトに駆け寄る。心配そうにナルトを揺するが、反応はない。

木の葉丸はサクラを睨み付け、暴言を吐く。


「このブース!ブース!!」


『これ!木の葉丸、そんなことを女子に言ってはなりませんと.....』


―ゴンッ!ゴンッ!


紅緒がしかる前にサクラちゃんはナルトと木の葉丸を殴った。



「フン!紅緒!今から一緒に修業するわよ!!」


『......え。り、了解した』



木の葉丸との約束が.....と思いながらも、サクラを放って置くことも出来ない彼女は、ズンズンと歩いて行ってしまっているサクラの後を追う


「…ったくあのブスデコぴかちん…。アレで紅緒姉ちゃんと同じ女かよマジでコレ…」


「!!」


ズンズン進んでいたサクラの足が ピタリと止まる


「ぎゃああああ!!」


そして次の瞬間には、ナルト達を追いかけ回していた



『......』



一人取り残された紅緒は取り敢えず、サクラたちを追っていった





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